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むし歯の悪化リスク~むし歯が発症する原因~【Happy SMILE】
むし歯の原因には「細菌(ミュータンス菌)」「糖質」「歯の質」「時間」の4つの要素があります。この4つの要素を「ニューブランの輪」と呼び、輪が重なった時、むし歯が発生します。
各要素ごとに対策をすることで、強力なむし歯予防になります。
この機会をきっかけに、今のご自身の生活習慣を振り返ってみましょう!
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①細菌(ミュータンス菌)
お口の中には、常に数百億から数千億もの菌が存在しています。
この中にはむし歯や歯周病の病原菌も含まれています。
特にむし歯の病原菌としてミュータンス菌がよく知られています(図1)。
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ミュータンス菌は糖を栄養にして「酸」を作り出します。
「酸」が歯の表面に残っていると、お口の中のpHが酸性に傾きます。
すると、歯を構成しているカルシウムやリンが溶け出して、歯が溶け始めます。これを「脱灰」と言い、この状態が続くとむし歯になってしまします。
しかし、唾液の力や歯磨きをすることで酸性に傾いたお口のpHは中性に戻り、溶け出したカルシウムやリンを再び歯の表面に取り込むことができます。これを「再石灰化」と言います。(図2)
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このように、食事をするたびにお口の中では「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されています。むし歯の原因の根本である細菌を減らすために日頃からの丁寧なセルフケア(歯磨きや歯間清掃)と歯科医院での定期的なクリーニングを心掛けましょう。
②糖質
食べ物に含まれている糖質(特に砂糖)は、ミュータンス菌が酸を作る材料に使います。そのため、キャンディーやジュースなど甘い物をよく摂る習慣のある人や、運動中に水分補給としてスポーツドリンクを飲む方などは、
歯の表面が酸にさらされる時間が長く、むし歯になりやすくなるので要注意です。当てはまる方・気になった方はこちらの記事も是非ご覧ください。
とはいえ、糖質は体にとって大変重要なエネルギー源でもあります。
適量を守りつつ、お食事やおやつの時間を楽しみましょう♪♪
③歯の質
実は、乳歯の形成はとても早い時期から始まります。(図3)
妊娠7週から10週頃から作られ始め、生後11ヶ月くらいには全乳歯が完成します。永久歯は妊娠3ヶ月から5ヶ月頃にでき始め、歯によっては生後2歳から8歳くらいの完成に向けて、歯茎のなかでじっくりと作られていきます。
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歯の質は、歯が作られる際の環境の違いなどで個人差があり、エナメル質や象牙質の状況によってむし歯になりやすい・なりにくい時期があります。
特に乳歯や永久歯が生えたばかりの子どもは、歯の表面であるエナメル質が薄く虫歯になりやすいので注意が必要です。
丈夫な歯を育てるためには、歯の土台を作る良質なタンパク質、歯の再石灰化のために必要なカルシウムやリン、また、これらがうまく働くためのビタミン(A、C、D)などの栄養素を不足することなく摂ることが大切です。
これを食べていれば大丈夫!という食べ物は残念ながらありません。。
毎食でなくとも、1日のうち1食は主食・主菜・副菜のある、バランスの良い食事を摂るようにしましょう。
④時間
①と②でもお話したように、食事をするとお口の中は酸性状態になるため、歯は溶けやすくなります。
つまり、食事の時間やタイミングが決まっている方(図4上)と比べると、間食を1日に何度もしたり、ジュースや飴など甘い物をダラダラと摂ったりする習慣のある方(図4下)は、お口の中が中性に戻りきらずに酸性状態が長く続いてしまうので、むし歯のリスクが高くなります。
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食事と間食(おやつ・ジュース)はダラダラと摂らずに、
毎日決まった時間・タイミングに食べるようにしましょう。
そして、食べた後はハミガキを忘れずに!
Q.歯磨きが難しい場合は・・・?
A. お口を水でゆすぐだけでもpHを中性に戻すお手伝いとなります。
以上4つの要素からなるニューブランの輪をやっつけて、
むし歯を予防しましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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今回の記事は管理栄養士の村上が担当いたしました!
参考
日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/park/