岩波文庫チャレンジ29/100冊【中世騎士物語】
チャレンジ29冊目、中世騎士物語、アーサー王の話。
ゲームや映画・ドラマなどで誰もが何かは聞いたことあるはず!一度ちゃんと読んでみたかった。が、お話を堪能したいなら、岩波文庫はちょっと違ったかな。オリジナルはこういうものかもしれないけれど、話が途切れ途切れで、読みたかったアーサー王とマーリンがあまり出てこなかった(という理由で★1)。
途切れ途切れだったからこそ、空想の世界が広がったのかもしれませんね。岩波版に書かれている話は下の通り!もちろん学べることもある、そこが良い。
登場人物
◾️アーサー王
・史実では5世紀頃のイギリス君主
・”アーサー王伝説”のアーサーは、史実かどうかは議論。ここではもちろん”伝説”の話
・誰も抜けなかった、石に刺さった剣を抜き、王位に
・湖の女王から聖剣エクスカリバを授かる
・王妃ギニヴィア
・甥モウドレッドの謀叛で、致命傷を負う
・最後の時、湖から現れた手がエクスカリバを持ち去る。アーサー王は小舟に乗り、傷を癒しにアヴァロンへ行くと言い姿を消す。妖精の国へ運び去られたとも。
・アーサー(Arctos, Arcturus)とは大熊星、おおぐま座。尻尾の辺りが北極星、付近に狭い範囲で円を描いた形に見えることが円卓の由来になったとも。
◾️魔術師マーリン
・インキュバス(夢魔)の子で、様々な姿に変えられる
・王の相談役として活躍
(・・これぐらいしか登場しないの悲しい・・笑)
・余談ですが、以前アマプラで「マーリン」というドラマがあり、面白くて一気見した事があります。今こそもう一度見たい!
◾️円卓の騎士
・魔術師マーリンが、キリスト13使徒を象って13席にした
・13番目の席は、裏切者イスカリオテのユダの席で空席、不吉な席
(北欧神話では、ヴァルハラ宮殿において争闘の神ロキが加わって13人になると、平和の神が滅ぼされたと言う故事がある)
・円卓の騎士となった後は、必ず引き続く10日間を、冒険を求めて暮らさなければならない掟があった。その期間中に円卓の仲間が変装して出会い、新たな騎士の力量を試す。物語の多くは、円卓の騎士の冒険譚。
・円卓は上座下座がないことから、卓を囲む者は全て平等という考え(立派)
◾️ガウェイン
・アーサーの甥、ロト王の息子
・愛剣ガラティーン
・朝から正午までは力が3倍になる
◾️ランスロット(湖の騎士)
・両親を早くに亡くし、湖の乙女に育てられたことから、湖の騎士と呼ばれる
・馬上槍試合など、並ぶもののない腕前
・王妃ギニヴィアとの不義の恋がいざこざを起こす
・シャロット姫にも愛されるも、姫の恋は叶わず
・甥にライオネル
◾️トリストラム(トリスタン)とイゾーデ(イゾルデ)
(この話が1番ページが割かれていた印象)
・漂流していたトリストラム、敵国の王女イゾーデに助けられ恋に落ちる
・騎士の誓約*により、イゾーデはトリストラムの国の王(マーク王)と結婚
・しかし、マーク王の元へ向かう航海の途中、2人は誤って恋の媚薬を飲む
<恋の媚薬>
互いに心を惹かれ合う2人が、それが原因で不幸なことが起きないよう、イゾーデの母(アイルランド王妃)は、妖精から媚薬を手に入れていた。婚礼の晩、マーク王とイゾルデに媚薬を与えるように、侍女に言いつけてあったが、航海途中ひどく喉が乾いたトリストラムは、その辺に置いてあった恋の媚薬を、愛するイゾーデに飲ませてやり、残りは自分が飲んでしまった。
・パラミディーズにイゾーデを奪われたり、奪い返したり、嫉妬に激怒したマーク王に追放されたり、ふんだりけったり起こる
・最終的にトリストラムは、愛するイゾーデと同名の白い手のイゾーデ(別人)と結婚するも、後の戦いで命を落とす
・トリストラムの死を知ったイゾーデも悲しみのあまり後を追う
・マーク王、最後は優しい思いで、 2人の恋人たちを礼拝堂の中に眠らせる
・騎士の誓約*とは、頼まれる何事も拒絶しないこと。誠実は騎士道の基礎、たとえ気軽に誓われた事でも、一度騎士の口から出た以上は、いかなる犠牲を払ってもそれを実行しなければならなかった。
◾️ガラハド
・ランスロットの息子
・白地に赤い十字の盾
・恐れず13番目の席に座るも、呪いに打ち勝ち、円卓の騎士に
・聖杯(サングリアル)を探す旅で、アリマタヤのヨセフに出会う
・聖杯を見つける事はマーリンが予言
ー聖杯:キリストが最後の晩餐で使った盃
ーアリマタヤのヨセフ:磔刑の後、屍骸を埋葬した事で有名(→)
・天へ召されると同時に、聖杯も天へ昇る
(→)聖書には4人のヨセフが登場(4人のヨハネに5人のマリア・・)
①旧約聖書、アブラハムの曾孫
②イエスの養父、聖母マリアの夫
③イエスの弟
④アリマタヤのヨセフ、イエスを葬った
◾️パーシヴァル
・ガラハドと共に、聖杯を見つけた3人の騎士の1人(後1人はボゥホート)
若干消化不良のせいもあってか、アーサー王と円卓の騎士はビジュアルで見たいと思いました!エクスカリバーがアーサー王の剣だった事を知ったのは嬉しい。
岩波文庫版には「アーサー王とその騎士たち」の他に「マビノジョン」(アーサー以外が主人公?)と「英国民族の英雄伝説」としてベイオウルフ、ロビン・フッドも短いながら収録されています。
マビノジョンはあまり興味が惹かれなかった(アーサーが読みたすぎて?)のですが、「プウィル」の物語は面白かったです。
さてさて、
岩波文庫100冊チャレンジ、残り71冊🌟