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#短編小説
✳︎堕天使 ニース✳︎(12)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
12ページ✳︎
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翌朝、大きなベルの音で子供達が目を覚ました。
ルイはルームメイトに気がつかれないようにニースを見て、
声は出さずに「おはよう」とニッコリと笑いかけ、服を着替えて大部屋へ行き朝食をとった。
朝食が終わると、他のみんなは学校へ向かったが、ルイは先生の車に乗り病院へ向かった。
ニースも車に乗り込み、ルイの座る後ろ
✳︎堕天使 ニース✳︎(13)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
13ページ✳︎
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病室に着くと、ルイは用意されていたパジャマに着替えベッドの上にすわった。
案内してくれた看護師が、簡単に入院の説明をして部屋を出ると、ニースはさっきから気になっていた事を聞いた。
「ルイ…、お前何だか嬉しそうに見えるけど…。入院が嬉しいのか?」
待合室で待っていた時の表情とは、まるで違う穏やかな笑みを浮かべる
✳︎堕天使 ニース✳︎(14)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
14ページ✳︎
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「無茶を言うなよ!」
真剣な瞳で攻め寄って来られた小悪魔は、その場にいるのが気まずくなり逃げ腰になった。
「さっ、俺はそろそろ帰らないと!」
パタパタッ!と慌てて羽ばたかせた小悪魔の羽先を、ニースはガスっと握ったかと思うと、無理矢理閉じた。
「待て、待ってくれよ!ルイを助ける方法をどうしても探したいんだ!」