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#大人のための童話
✳︎堕天使 ニース✳︎(12)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
12ページ✳︎
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翌朝、大きなベルの音で子供達が目を覚ました。
ルイはルームメイトに気がつかれないようにニースを見て、
声は出さずに「おはよう」とニッコリと笑いかけ、服を着替えて大部屋へ行き朝食をとった。
朝食が終わると、他のみんなは学校へ向かったが、ルイは先生の車に乗り病院へ向かった。
ニースも車に乗り込み、ルイの座る後ろ
✳︎堕天使 ニース✳︎(13)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
13ページ✳︎
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病室に着くと、ルイは用意されていたパジャマに着替えベッドの上にすわった。
案内してくれた看護師が、簡単に入院の説明をして部屋を出ると、ニースはさっきから気になっていた事を聞いた。
「ルイ…、お前何だか嬉しそうに見えるけど…。入院が嬉しいのか?」
待合室で待っていた時の表情とは、まるで違う穏やかな笑みを浮かべる
✳︎堕天使 ニース✳︎(14)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
14ページ✳︎
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「無茶を言うなよ!」
真剣な瞳で攻め寄って来られた小悪魔は、その場にいるのが気まずくなり逃げ腰になった。
「さっ、俺はそろそろ帰らないと!」
パタパタッ!と慌てて羽ばたかせた小悪魔の羽先を、ニースはガスっと握ったかと思うと、無理矢理閉じた。
「待て、待ってくれよ!ルイを助ける方法をどうしても探したいんだ!」
✳︎堕天使 ニース✳︎(15)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
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木の下に降りたニースは、頭を掻きながら小悪魔の方を向き、
「お前の名前…、まだ聞いて無かったよな。おいらの名前はニース、お前は…?」
と、ルイの事を助けたい思いがいっぱいで、頼み事をしていながら名前も伝えていない事に気が付き、申し訳なさそうに小悪魔に聞いた。
小悪魔は少し下を向くと、言いたくなさそうな小声で、
✳︎堕天使 ニース✳︎(16)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
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黙りこんでじっと空を見ているティモシーが気になったニースは声をかけた。
「おい、ティモシー!気分でも悪いのか?」
慌て声のニースに肩を揺さぶられ、ハッとすると、心配そうに顔を覗き込むニースがいた。
「なっ!何でもねーよ!」と、
軽く答えたが、心配そうに声を掛けてくれたニースの言葉がとても心地よく、温かな物に包