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岡本太郎美術館でバカボンのパパになる
いつからか “岡本太郎” が好きになった。
一体いつからだったのか?
ふと考えてみたら案外すぐに思い当たった。
2011年にNHKで放送された『TAROの塔』というドラマからだ。
当時(今でもだけれど)、好きな劇団・大人計画の松尾スズキが出演するというので、毎週見ていた記憶がある。
当時の私の中の ”岡本太郎” は
「芸術は爆発だ」
と言っている変なおっさんで、どんな作品を残しているのか全く知らなかった。多分、”太陽の塔” すら知らなかったように思う。
先ほど「毎週見ていた」と書いたが、実は嘘だ。申し訳ない。
毎週見ていたのは2回目までで、全4回しかなかったこのドラマを、当時、最後まで見ることがなかった。
2011年3月11日 あの大地震が発生し、放送が一時中断。
実質的な被害は何もなかった私だが、連日放送される被災地の状況と精神的な混乱で、放送再開後もあのドラマを見ることがなかった。
そのため、私の中の『TAROの塔』は今でも第2話で終わっている。
それでもふとした時に ”岡本太郎” が気になった。
あのドラマはどうなったのか?
岡本太郎とは何者だったのか?
好きな人ができると自然と視界にその人が入ってくるように
自然と”岡本太郎”という漢字四文字に目が行くようになり、
”岡本太郎”の本を読み、”岡本太郎”の展覧会へ出かけ、
”岡本太郎”を追い続けていたらもう13年も経っていた。
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時に生活で辛いことがあると、なんとなくパワーがもらえる気がして、美術館へ足を運び、岡本太郎の作品に囲まれながら、一人、声も立てず泣いていたこともある。
今考えると、怖い。怖すぎる。
周りにいた人に本当に申し訳ない。
最近でも、定期的に岡本太郎美術館に足を運んでいるが、
歳を重ねたせいか、生活に刺激がなくなったせいか
流石に泣くことはないので、ご安心を。
先日、久しぶりに、生田緑地にある岡本太郎美術館に出かけてみた。
最近気になっているアーティスト・福田美蘭が岡本太郎に挑むという。
これは目撃しに行かないと。
その名も
川崎市市制100周年・開館25周年記念 「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」展
アートの専門家でもないし、岡本太郎や福田美蘭について知っていることもwikiさんの方がよほど詳しくて分かりやすいと思うし、
アートの受け取り方は個人の自由だ!主義
の私としては、解説的な事は、書けないし、書かないが、
専門家でもなんでもないただの人の個人的な感想を自由に言わせてもらえれば、
いい意味で
めっちゃいじってる!!
なのだった。
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どう受け取ってもらっても、どう楽しんでもらってもかまいませんぜ!
私は気にしませんから
と福田美蘭が言ったかどうかは知らないが、その作品全てから、肝の座った、岡本太郎に通じるカッコよさを感じた。
いつでも自分じしんで率直に見るということが第一の条件です。
アートの受け取り方なんて、自由でいいのだ。
とすっかりバカボンのパパみたいになった私なのだった。
最後に、個人的に響いた福田美蘭作品のキャプションを紹介して終わろうと思う。
(前略)この顔を見ただけで、芸術家の岡本太郎と分かるけれど、絵画作品が具体的に浮かぶ人はどれ程いるだろうか。太陽の塔も、顔のグラスも絵画ではない。知られている様で、岡本が生涯にわたり実現させようとしてきた世界を私達は未だに理解できないでいる。
福田美蘭「この人の書いた絵を思い浮かべてください」キャプション
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え?あったよね、パネル?・・・え?
あれから13年。
私は、未だに”岡本太郎”について何も分かっていない。
あの日、松尾スズキがとても似ていると思った
目を見開いたおっさん ”岡本太郎” は、一体何者だったのか?
そんな自分が悲しくもなり、
これからも長い付き合いになりそうなことが嬉しくもなる福田美蘭の一言だった。
追記
私の力量では淺井裕介さん作品にまで触れられないと思ったので
ほとんと記載していませんが、
土を使った作品の数々、まさかの、作品を踏めるという体験、
にドキドキわくわくしました。
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ご興味ある方はぜひ。
各作品は、撮影可能ですが、ダメなものもあります。
SNSへの投稿も、営利目的でなければOKだそうです。
こちらもご興味ある方はぜひ。
お気に入りの作品を待ち受けにしてみるなんてのはいかがでしょうか?
【展覧会情報】
川崎市市制100周年・開館25周年記念 「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」展
会期:2024年10月12日(土)~2025年1月13日(日)
開館時間:9:30-17:00(入館16:30まで)
休館日:月曜日(10月14日、10月21日、10月28日、11月4日、11月11日、1月13日を除く)、10月16日(水)、12月29日(日)~1月3日(金)
観覧料:一般1,000(800)円、高・大学生・65歳以上800(640)円、中学生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体料金
主催:川崎市岡本太郎美術館協力:ANOMALY、DNP大日本印刷、株式会社フェリシモ「ミュージアム部」
【参考】
・岡本太郎 「今日の芸術 時代を創造するものは誰か」光文社
・川崎市岡本太郎美術館 図録
川崎市市制100周年・開館25周年記念 「岡本太郎に挑む 淺井裕介・福田美蘭」展
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