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書評:アーセナルファン必読書「2023年/2024年シーズンを思い起こす」"Asenal Football Club Season Review 2023/2024"Elliot Doyle著

本書は、アーセナルの2023年-2024年シーズンを振り返ったものである。期間は、2023年夏の補強から2024年のシーズン終了までのものである。非常にコンパクトにまとめられている。

Kindle本で、71ページである。ファンにとっての情報量はサッカー専門誌が出す「アーセナル特集」といった雑誌より、はるかに多いので英語が苦痛な方以外は、読む価値はある。(私も雑誌を見かけると、ついつい買ってしまうが。)

1試合ずつダイジェストが書かれているので、「あの試合か」とこちらの記憶を喚起してくれる。また、キーとなった試合も挙げられており、「なるほどと思う。」

データも必要な限りで使っているので、読者に分からないものは載っていない。また、このシーズンに限って書かれているので、アーセナルの過去をそれほど知らなくても気楽に読める。これから、プレミアを見る方にはお薦めである

今、プレミアで一番面白いのは、アーセナルだ。単純に得点がたくさん入りる。守備も見事で現代サッカーのお手本のようなサッカーをする。そして、最も魅力的なのは、選手が若くエネルギーに満ち溢れ、そして昨シーズン、成熟した、と言えるからだ。

著者は、Elliot Doyle。色々調べたが、誰なのかは分からなかった。ただ、内容は筋の通ったものだったので紹介したいと考えた。著作権法に引っかからない限りで、本書を要約してみよう。

まず、シーズンの総括である。2023/2024シーズンは、プレミアでは歴代3番目に若いスタメンで開幕戦を戦った。しかし、アルテタの下で欠けていた、選手たちの「成熟」を感じさせるシーズンだった。

特に、あらゆる試合状況下でその強さを見せつけた。

負けている試合からも逆転し、アディショナルタイムの得点もリヴァプールに次いで2位だった。また、試合の早い時間帯で得点し、支配をコントロールして勝った試合も多かった。

この試合を勝ち切る力は、チームに「勝者のメンタリティー」が浸透した証左である。これは、アルテタの采配もほめなければならない。トロサールを筆頭に交代選手が活躍した。

ディフェンス面では、失点は29でプレミアで最も少なかった。特に、ディフェンスラインのトリオが安定していた。サリバは全試合フルタイム出場をし、ガブリエルとホワイトとのトリオで80%の試合を戦った。意思疎通、連携は最高だった。

また、ライスの加入も大きかった。そのプレーの予測能力と判断、ディフェンスラインのカバー能力は突出していた。デュエルにも強く、さらに7得点をあげた。

オフェンス面では、89ゴールをあげた。まずはサカの16ゴール、ハバーツの13ゴール、トロサールの12ゴールと二けた得点者を3人出した。

特にサカは、相手からダブルマークを受ける機会が多く中、自己最高の得点を挙げたことは特筆すべきことである。サカは、二年連続アーセナルのベストプレーヤーに輝いた。

また、セットプレーからの得点は特筆すべきものであった。コーナーから16ゴール。セットプレーの得点は20ゴール、プレミアでトップの成績である。22%である。これも現代サッカーの特徴であろう。

以上、要約である。上記したが、この著者の正体が分からなかったが、おそらくアーセナルに近い人だろう。2024/2025年シーズンも明るいと締めくくっている。

本書は、短いがコンパクトにまとまっているので、読みやすい。それほど、英語力は必要ないと思うので、アーセナルファンなら、読んでみてはどうだろうか。






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