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このキーワードが出たら要注意「人を雇って納期を短縮」
ITのお仕事は、よく案件が炎上して、エンジニアや現場の人たちが何日も帰れない・・みたいなイメージありますよね。実際に経験された方も多いのではないでしょうか。
今回はこのような事が起きる「兆し」の1つをお話したいと思います!
システムの開発って、戦略的にスピード感を持ってできるだけ早くリリースしたい・・多くの人がこう考えるのは、普通の事です。
でも、実はこれがプロジェクトが火を噴くトリガーになりやすいのです。
例えば作業の洗い出しをして、工数も割り出して、最短で半年くらいの作業期間を見積もったとしましょう。
ここでプロジェクトや、現場を理解していない人が上司だったりすると、これに対して異議を唱えます。
半年じゃ戦略的に間に合わない、2か月でやれないか?
そしてここでさらに「要注意のキーワード」が出てくるのです。
では4人/月分、人を増やせば納期が短縮できるはずだ!
これが炎上の火種となり、次第に大きくなり、デスマーチと呼ばれる、現場の人が何人も倒れるような事態に発展する事になるのです。
※デスマーチ
IT業界では過酷な労働環境や極端な過重労働を課されるシステム開発プロジェクトの現場
では、どうしてこんな事に発展するのか?
「人を増やせば納期が短縮できる」と考える人は、プログラマーを雇ったその日から、何の引継ぎも、キャッチアップもせず、すぐ作業が開始出来ると思っています。
どんなに優秀なプログラマーを雇っても、現状のキャッチアップと引継ぎをするのに、最低でも2か月は必要です。
そして、もう1つ問題なのは、新人に教える時間が考慮されてない事。
4か月分を短縮するための人数って結構多いです。想像してみてください。この人数を相手に、既存のプログラマーが1日どれくらいの時間を割いて質問を受けたり、引き継ぎすれば良いのでしょう。
先輩のプログラマーが現況を説明、質問に答えるなどのOJTの時間は計り知れません。OJTのせいで、自分の仕事が全然できず、真夜中から作業を開始する羽目になり、毎日毎日、終電まで頑張っても全然終わらない・・。
そしてオーバーワークで体調不良になり、休職もしくは、退職などで案件から離脱。
あとは・・
①解る人が急にいなくなる
②問題がたくさん起きる
③品質が下がる
④毎日みんなで徹夜で改修
⑤ 体調不良の作業者が続出
→めでたく案件崩壊
こんな流れですね。※実際に私も経験してます。
ざっくり話しましたか、現実は説明した状況よりも遥かにひどいです。
手っ取り早く頭数を集めるとどういう事になるかと言うと、こんなとき、SESの会社によく声がかかります。でも、SESでも急に人を集める事には変わりないので、無茶振りになり、案件とマッチしてない人がたくさん出向してくるんです。
こうなってくると既存のプログラマーのOJTにかかる人的コストはどうなりますか?
常識では考えられないような作業量が想定されます。
これ人を集めた上司の目線でみると「能力はさておき、頭数だけはあつめてやったのになんでできないの?」みたいな状態なんです。
こうなってくると案件は崩壊し、2か月・・いや最初に見積もっていた半年どころか、リカバリーにリカバリーを重ね、なんだかんだで、2年~3年くらいかかる羽目になります。
こんな事になるなら、最初から半年で計画的にやっとけばよかったじゃん・・
こんな経験があるので、私は声を大にして言いたい!
「人を雇って納期を短縮」はダメぜったい!
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