アポラクトフェリンで健康になろう(前)

不定期連載 アポラクトフェリン(35)

病気とAGEs(終末糖化産物)の関係が
盛んに研究され始めたのが、
20年以上前のことです。
注目されたきっかけは、AGEsが
糖尿病の合併症やガン、アルツハイマー病、
パーキンソン病などの発症と
関連しているからでした【写真・図20】。

AGEs自体については今から100年以上前に
発見されていたのですが、その当時、
多くの研究者たちを悩ませる現象が
ありました。AGEsを取り出してみると、
いつもアポ型(鉄がついていない)の
ラクトフェリンがくっついていたのです。

ラクトフェリンには何にでも結合する
という性質があります。
鉄にも花粉にもくっつきます。
AGEsとも結合する作用があり、
その能力は、自然界最大です。

画像1


【写真・図21】をご覧下さい。
普通の食事と一緒にアポラクトフェリンを
摂取すると、腸の中でAGEsを捕まえることを
試験管の中で再現した実験結果です。
右側に曲線が下がるほどAGEsと
アポラクトフェリンが結合したことを
示しています。

アポラクトフェリンには、
鉄の分子を捕まえるアミノ酸の輪(ポケット)が
2つあります。このポケットは
AGEsとの結合にも使われています。

アポラクトフェリンとAGEsの
結合のメカニズムや構造は、
通常のラクトフェリンと同じです。
ところが、鉄やAGEsとの結合力は、
アポラクトフェリンの方が上回っています。
X線構造解析という実験をした結果、
鉄を結合したラクトフェリンと、
鉄を持たないアポラクトフェリンとでは、
三次元構造(形)が異なる
という報告がありました。
ラクトフェリンとアポラクトフェリンの
結合力の違いも、そうした形の違いに
よるものではないかと思われます。

アポラクトフェリンと結合したAGEsは、
腸から吸収されることなく排泄されます。
したがって、日常的にアポラクトフェリンを
摂取すれば、食事由来のAGEsの身体への
蓄積を確実に減らすことができます。
このことから、アポラクトフェリンを
利用してAGEsの生成を妨げ、生活習慣病に
役立てようという研究が、
世界各地で進んでいます。

参考文献 
井上浩義 
「アポラクトフェリンのすべてがわかる本」
アーク出版 pp.83 - 86

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