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意外なオスカー候補「サブスタンス」は爆笑&最恐トンデモ怪作

こんぬづわ!映画「サブスタンス」の日本公開が5/16という絶望的なタイミングの遅さのため、一足早く鑑賞しました。

オスカー主要部門で作品・監督・主演女優賞にノミネートされ、予想以上に検討しています。

この映画、前半までは割とマトモでなのですが、後半の展開たるやクローネンバーグ顔負けのホラー怪作ぶりで、あまりの展開の凄まじさに何度か爆笑してしまいました。

主演女優賞に初ノミネートしたデミ・ムーアは50過ぎの「エアロビ」インストラクター役なのですが、テレビ業界の高齢白人エグゼクティブによって出演していたテレビ番組を降板させられます。

(この映画の監督は女性なのですが、出てくるテレビ業界人が意図的に高齢白人男性だけで構成されています。)

傷ついたデミ・ムーアは若返りのクスリを手に入れて若返りを図るのですが・・・という内容で、映画全体としては女性にだけ求められる若さや美しさによるルッキズムへの批判になっています。

この映画、思わず笑ってしまう後半のあり得ない展開によって、わかりやすく言えばアリ・アスターの「ミッドサマー」並のエクストリームなホラー映画になっており、昭和時代の深夜のテレビで流れるようなB級カルト映画スレスレです、というかカルト映画そのものと言っていいのではないでしょうか・・

前述したクローネンバーグの影響や、後半なんかは先日亡くなったデビッド・リンチの「エレファント・マン」そのものなのですが、ノリとしては数年前カンヌ映画祭のパルムドールを獲った「TITANE」に似たところもあります。(TITANEの監督も確か女性でしたね)

なので、最近、女性の監督が「TITANE」や本作のようなエクストリームなカルト作でメジャーな映画際で受賞するという流れも面白いと思います。

最大の疑問は、アカデミー賞がデミ・ムーアは別としても、このような内容の映画に作品賞と監督賞ノミネートさせたのは前例のない事態なのではないでしょうか。

ノミネートに娯楽作が少ないというのがオスカーに対する永遠の批判なのですが、その枠には今年は「デューン2」や「エミリアペレス」が入っているのですよね。

フェミニズムや多様性への配慮の可能性も大きいですが、アカデミー賞になにがあったんだ・・というのが正直な感想ですね。笑




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