YOSIXサブカル日誌

自分の好きな音楽・映画について書き残しています。趣味でDJもしています。 https://www.youtube.com/@yosix7904/videos

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最近の記事

社会派傑作「私は死にたくない」(1958年)の衝撃

こんにちは。今週も快調に50年代映画を消化しています。 今週はスーザン・ヘイワードがオスカー主演女優賞に輝いた①「私は死にたくない」と「欲望」のミケランジェロ・アントニオーニのデビュー作②「さすらい」の2本を鑑賞。どちらも見応えのある作品で大満足でした。 ①は実話の冤罪事件を元に死刑制度の是非を世に問う社会派作品・・と聞くと重苦しさ満載なのですが、映画自体は全編にジャズが流れてスタイリッシュな軽さがあるのが非常に効果的な仕上がり。もちろんスーザン・ヘイワードのドスの効いた

    • 【必見】幻の映画「灰とダイヤモンド」と最近みたクラシック映画の話

      こんにちは。 もう10年以上クラシック映画を年代順に見まくるというライフワークを続けておりまして、現在50年代の3周目をやっております。 58年に位置するアンジェイ・ワイダ「灰とダイヤモンド」ですが、かなりの有名作であるにも関わらずレンタル屋にない、配信にない、という簡単に観れない状況が続いておりまして、イライラがピークに達していたところ、数年前にアマプラ内チャンネルに登場したことを認識。 しかし年代順に観るというストリクトな自分内ルール上、最近まで観るに観れない状況が続

      • 祭りだ!ザ・キュアー16年ぶりの新作!+秋の注目アルバム8選

        The Cure 16年ぶり(!)の新作リリース日が11/1(金)とのアナウンスがあり、小躍りしています。 各種辛口メディアのウケも良く、メディア総合サイトのAOTYでは現在92点の高得点で年間2位につけています。 https://www.albumoftheyear.org/album/476614-the-cure-songs-of-a-lost-world.php 特にGuardian紙では5点満点の評価で、このバンドが「芸術的なピークに達している、感動的にメラン

        • 映画「シヴィル・ウォー」のネオ・リアリズムと戦争エンタメの間に横たわる不穏な闇

          秋の怒涛の注目作ラッシュの中、先日ようやく「シヴィル・ウォー」を見てきました。 古くは「28日後」のホラーシリーズ、最近では「エクス・マキナ」や「アナイアレーション」という秀逸な新世代SFホラーを撮ってきたアレックス・ガーランド監督の新作です。 最近ディープ・ステイトなり、軍産エスタブリッシュメントと呼ばれている米民主党を中心とする既得権益層と、トランプが代表する保守主義者の対立によりアメリカ合衆国が分裂するというこの映画のシナリオは、一部の政治評論家が唱える見解とも一致

          【2024年秋】注目の映画公開カレンダー

          前の記事で「エイリアン:ロムルス」を観た時にシネコンで何気なくチラシをチェックしたところ、今年は注目作がたくさん秋に公開されることが判明、嬉しい悲鳴をあげています。 そんな中、筆者が注目している作品を以下ご紹介。 9/27(金)憐れみの3章(Kinds of Kindness)・・① 9/27(金)Cloud・・② 10/4(金)シビル・ウォー・・③ 10/11(金)ジョーカー フォリ・ア・ドゥ・・④ 11/15(金)グラディエーター2・・⑤ ①は前回のオスカーでかなり

          【2024年秋】注目の映画公開カレンダー

          賛否両論「エイリアン:ロムルス」は劇場で観ておくべきか?

          こんにちは。先日久々に劇場で映画を観てきたので、本日はその報告をば。 実は父親が亡くなってから数日後というタイミングの中、何かに没入していないと、つい父のことを考えてウツ気味になってしまうので、無理にでも外出してこの映画を観てきました。 結果的には終始緊張感の続くジェットコースター・ムービーだったので、非常に良い気晴らしになりました。(父の死については想うところあり、気持ちの整理ができたら書いてみたいと思います。) さて本題の「エイリアン:ロムルス」(より正確な発音はロ

          賛否両論「エイリアン:ロムルス」は劇場で観ておくべきか?

          ペット・ショップ・ボーイズ「Nonetheless」のクセになるポップと叙情性の帰還

          こんにちは。お盆休みに久々に落ち着いて今年出た新譜を聞くことができたのですが、今日は、そのうちの一枚、ペット・ショップ・ボーイズ(以下PSB)の「Nonetheless」について書いてみたいと思います。 結論から言うと、今回のPSBの新譜はポップとセンチメンタルな繊細さがクセになる作風が復活しており、久々に繰り返し聴いています。 繰り返し聴ける点では2013年の「Electric」以来、久々。アルバム全体の完成度としては、なんと、1999年に遡って「Nightlife」以

          ペット・ショップ・ボーイズ「Nonetheless」のクセになるポップと叙情性の帰還

          ガチ・フジロッカーによるフジロック'24体験記【3日目】(動画付き)

          念願のルーファス・ウェインライトや衝撃のキム・ゴードンが続く大充実の3日目 3日目一発目はグリーンでルーファス・ウェインライト。この人も絶対にフジロック環境で観たいと長年思っていたレジェンドです。 ステージはバックドロップの映像も曲とシンクロしてて素敵ですし、なんといってもルーファスの衣装がニューヨークの大富豪。笑 心に染みる名曲連発だったのですが、白眉は米民主党の大統領候補になったカマラ・ハリスに期待のエールを送ったGoing to a Town。 "I am ti

          ガチ・フジロッカーによるフジロック'24体験記【3日目】(動画付き)

          ガチ・フジロッカーによるフジロック'24体験記【2日目】(動画付き)

          近年注目のアクトに続きベス・ギボンズやクラフトワークなどの大物が出演、充実の2日目 今年は宿が思いのほか快適で、2日目も体力十分でした。 天候は去年・一昨年の日照りは何だったんだいう感じで曇り。時おり陽がさす程度ですが、その日差しも痛いくらい強いんですよね。 ということで、2日目はグリーンステージのThe Last Dinner Party(TLDP)からスタートしました。 このバンドもFrikoと同じく今年前半に大きな話題となったバンドですが、自分はそこまでハマるこ

          ガチ・フジロッカーによるフジロック'24体験記【2日目】(動画付き)

          ガチ・フジロッカーによるフジロック'24体験記【1日目】(動画付き)

          車で行くメリット・デメリット 一つ前の記事で書いたように、今年はテントから宿に変えただけではなく、新幹線をやめ、車で往復することにしました。 今回のように会場から徒歩圏の宿が取れない場合、宿に帰るには最終バスで早々に会場を離れる必要があり、これを避けたかったからです。 キャンプと違い、宿の弱点はこれで、特に深夜のクラブ・ミュージック系のアクトを見たい場合には車が必須になってしまいます。 車を使うとこの弱点は解消されるのですが、反面、会場近くの駐車場を確保する必要があっ

          ガチ・フジロッカーによるフジロック'24体験記【1日目】(動画付き)

          ガチ・フジロッカーによるフジロック'24体験記【総論・ノウハウ編】

          こんにちは!前回の記事からまた時間が空いてしまいました。 6月〜7月は海外出張に加え実家の処分や家族の入院が重なり大変でした。週一での投稿ペースを確立したいのですが、プライベートで予期せぬ出来事が重なると、どうしてもペースが乱れます。いちサラリーマンがブログやSNSのペースを守るのって大変ですね。 それでも夏フェスだけはガッツリ行くようにしています。 フジロックは1998年から行ったり行かなかったり、かれこれ20回前後は行ってると思います。 足掛け26年?あまり考えた

          ガチ・フジロッカーによるフジロック'24体験記【総論・ノウハウ編】

          今『関心領域』を観る意義と監督のスピーチ

          いまだにタイムリーな公開タイミング ようやく日本公開となった『関心領域』は、アメリカでは23年末に公開され、24年のアカデミー賞で国際長編映画賞を獲りました。 筆者はアカデミー賞前にこの映画を観たのですが、日本での公開があまりにも遅く、授賞式当時の議論に日本人がリアルタイムでついていけないことを非常に残念に思っていました。 しかし、その後の世界情勢の進行により、その議論は今も有効なものとなっています。 皮肉にもこの映画を観る意義が日々増してきていると感じており、今日は

          今『関心領域』を観る意義と監督のスピーチ

          家族映画「異人たち」が描く孤独に泣く

          前回の記事から少し間が空いてしまいましたが、お元気にしていますでしょうか? アカデミー賞の総括の記事を書くために主要部門以外のノミネート作をチェックし始めたら沼にハマってしまい、記事を書くタイミングを逃しているところです。 感情を言語化するにあたって「勢い」って大事なんですよね。 そうこうしている間に、以前から注目していたアンドリュー・ヘイの新作「異人たち」が公開になり、昨日ようやく観に行くことができました。 山田太一の小説がベースになっていることも、日本では話題にな

          家族映画「異人たち」が描く孤独に泣く

          映画「オッペンハイマー」が日本人必見作である理由

          何なんだこの情報量の多さは今年のアカデミー賞を総舐め状態となった「オッペンハイマー」を見てから一週間が経ちました。 鑑賞後、消化するのに非常に時間が掛かかる映画ではあるので、リピーターが多いのはわかります。 なんせ、この映画は上映時間の3時間の最初から最後まで異様なまでの緊張感が続くので一瞬も目が離せない上に、情報量がものすごいスピードで流れていくのです。 筆者も細部がところどころ十分に理解できないまま終わってしまいましたので、ニュアンスを理解するためにも英語字幕の出る

          映画「オッペンハイマー」が日本人必見作である理由

          【今年度ベスト級】「デューン砂の惑星PART2」と「ブレードランナー」の呪縛

          IMAXの没入感と独特な世界観年初からアカデミー賞ノミネート作品を見まくった影響で映画鑑賞自体に食傷気味な筆者です・・笑 そんな中、疲れた心にムチ打って「デューン砂の惑星PART2」をIMAXで見てきました。 これがまたIMAXのシアターそのものが違う惑星になってしまったかのような凄まじい体験で、早くも今年のベスト級の映画となりました。 (アカデミー賞のマトメとその後の騒動に関してはまた別の機会に書きたいと思います。) この映画を家の小さなテレビとスピーカーで見るのは

          【今年度ベスト級】「デューン砂の惑星PART2」と「ブレードランナー」の呪縛

          【私見】今年アカデミー賞を獲るべき映画

          日本時間あさって3/11(月)、とうとうアカデミー賞授賞式が開催されます。 作品賞10本のうち「オッペンハイマー」を除く9本に加え、各種俳優賞ノミネートの「ナイアド」「ラスティン」と外国語映画賞ノミネートの「雪山の絆」の計12本を観ることができました。 まずは、その12本をお気に入り順にランキングにしてみました。 一番のお気に入りは、クリスマスに世間から取り残された3人を描く優しさ溢れるクリスマス映画(クリスマス前に見たかった)「ホールドオーバーズ」と、過去に対する人間

          【私見】今年アカデミー賞を獲るべき映画