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エコバッグで「環境破壊」した話

エコバッグというやつを、初めて入手したのは10年前くらい。職場の先輩から送別品にもらったものだった。とはいえ当時は独身一人暮らし、仕事終わりに買い物といえばコンビニに寄るくらいだし、週末の買い物にわざわざエコバッグを持ち歩くわけでもなく、外出時に荷物がアレコレ増えたときにまとめるための物という使い方しかしていなかった。要するにサブバッグだ。エコでもなんでもない。

結婚して、仕事を辞めて、専業主婦になった私にとって、買い物は「仕事」になった。近隣のスーパーやドラッグストアの底値をリサーチして、何曜日に何処へ行けば何が安いのか考えて動く。副産物のレジ袋はあっという間に膨大な量になった。折りたたんだレジ袋が大きめの袋2つ分くらいになる。嵩張らないように畳んでいるのにだ。こうなると「ゴミ袋として有効利用」とか言ってられない。溜まってきたら捨てる。容赦なく捨てる。私にとってスーパーの袋はもはやただのゴミだった。自治体に「プラスチック資源」の回収項目があったのが救いだ。

ここで10年近く眠っていたエコバッグが日の目を見ることになった。我が家から一番近いスーパーはいち早くレジ袋有料化に取り組んでいたイオン系列なので、エコバッグを持ち歩くことは必然になった。仕事(買い物)に行くときは、まずエコバッグを用意する。今の時期は保冷剤も用意して、保冷機能のあるバッグも併せて持つ。更に昨今のコロナ禍で買い物に行く回数を減らすようになったことも、私の仕事環境を大きく変えた。エコバッグ導入とコロナ禍での買い物制限、これで幸か不幸か月々の出費が減ったのである。不幸か、といったのは、無駄遣いをしている自覚がまったくなかったからだ。多少ネット購入にシフトしたものもあるが、それにしても明らかにカードの利用額が減った。知らず知らずのうちに無駄遣いをしていたのだ私は。出費が減ったことで生活に制限が出たわけでもないので、本当にあのお金はなにに使われていたのだろう。こわい。

例えばよく「丁寧な暮らしをしよう」なんていう言い方で、便利さからワンテンポ置いて生活してみることの素晴らしさを語られることがあるが、まあ私がいいたいのはそういうことになるのかもしれない。わざわざ貰える袋を持参して、わざわざ重たい思いをして保冷剤を持ち歩いて、わざわざ買いたいものを考えてから買い物に行く。でもこの「わざわざ」のおかげで我が家のコストは確実に減ったし、慣れてしまえば袋を持ち運ぶ行為も特に苦にならない。保冷剤はちょっと重いけど。

レジ袋有料化で「エコバッグは全然エコじゃない!」「海洋汚染は防げない!」という意見をよく見かけるようになったけど、私にとってエコバッグはエコだったし、無駄遣いの「環境破壊」をしてくれた救世主だ。あとかわいいエコバッグは仕事のモチベーションがあがる。オバさんがビニールの袋下げてるより、かわいいエコバッグ持ってる方がオシャレじゃんと思う。なので私はこれからも支援していきたい。それにしても、海洋汚染の何%がーなんてよく調べたよね、そういう知識をどんどんみんなで共有したら、ほんとに環境が救われる日も来るのかな。

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