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-死をもって、生と成す- 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』感想
人は、"オギャー"と生まれた時に決められていることが唯一ある。
それは、
"死"
死があるから、人生は、輝くのかもしれない。
『チ。』のアニメを観て、毎回、泣いてしまう自分。
絶望という暗闇だからこそ、星は、輝くのだ。
劇場で、鑑賞したかったが、様々な目の前の事に終われ、劇場での時期を逃し、アマプラで、観れたので、これ幸いと、鑑賞。
単に、アメリカ大統領選や昨今の政治事情に関わる内容なのだと、鑑賞前は、感じていた。
風の時代における秩序の崩壊。価値観の崩壊。個々人の価値観。
アメリカという大国の崩壊が個々人の視点で、描かれる。
それは、
弾丸を相手が打って来たから、敵か味方か関係なく、発砲するのか。
赤サングラスの男の
"what kind of(どういった)"
が重要で、どこの出身であるかが生と死を分けるのか。
ジャーナリストの
金になることが重要なのか。
個々人の価値観、正義によるプライオリティで、戦場が描かれる。
suicideのdream baby dream が流れて、写真には、大統領の死体を前に笑顔のWFのスクワット。
大統領を選んだのも国民だし、それを崩壊させたのも国民。
秩序の崩壊。個々人の価値観、正義。
しかし、一人の少女ジェシーが戦場カメラマンとして、成長するロードムービーとしても、見る事が出来る。
最初は、目前で、起こる出来事に怖気付いていたが、死の淵に立つ経験をした事で、最後には、積極的に写真に収める戦場カメラマンとして、成長していた。
サウンドトラックも秀逸で、死の恐怖の後に、陽気で、明るい音楽が流れる。
戦場カメラマンという存在が死の淵に立つことで、アドレナリンがドバドバ出てくる変態的な職業であるというメタファーに感じる。
死と再生
タロットカードでいえば、DEATH。
西洋占星術でいえば、冥王星。
11月20日に冥王星が水瓶座入りをして、世間では、本格的な風の時代が到来だと言われている。
今後、20年間ぐらい試練の年。
自分の価値観が試される時かもしれない。
その時に何を為せるか?
後世に自分の死、生をもって、何を残せるか?
何かで言われていた。
"お前の死は、死では、なく、その意志を継ぐ者が現れる"
意志を英語にすると、"will"。
非常にジョジョ的だし、チ。的だと言える。
サミーやリーの死をもって、一人の少女を戦場カメラマンとして、遺した。
ジェシーは、リーが死ぬ時、倒れ行くリーをファインダー越しに覗き、シャッターから指を外さなかったのは、それが戦場カメラマンだからだ。
最後に、大統領に質問したのは、それが当初からの目的だったからだ。
日々の生活の中で、死というものから敬遠しがちだが、死を抱えて、生きてこその人生。
俺は、後世に何を遺せるのだろうか?