【百年ニュース】1921(大正10)4月12日(火) 芝増上寺で大殿(本堂)上棟式。1909(明42)に火災で焼失した増上寺大殿は10年の歳月をかけ再建中。徳川家一門を始め後藤新平東京市長,阪谷芳郎男爵ら5,000名の参詣者。出席した堀尾貫務大僧正(94)は13日後に死去。落成は1923(大12)の予定。再建費用は200万円。
芝増上寺の本堂にあたる大殿(だいでん)の上棟式、いわゆる棟上げの式典が開催されました。1909(明42)に火災で焼失した増上寺大殿は10年の歳月をかけ再建され、このたび棟上げを迎えました。徳川家一門を始め後藤新平東京市長,阪谷芳郎男爵らが出席、あいにくの雨のなか一般の参拝者も5,000名以上に上りました。なお増上寺のトップである堀尾貫務,大僧正(94)は看護師らに付き添われて上棟式に出席、13日後に死去しました。大殿の落成は1923(大12)。再建費用は200万円に上りました。
このように大きな注目を集めて再建された増上寺の大殿ですが、24年後の1945年、昭和20年、3月10日の東京大空襲で再び焼失する運命にありました。
当時の再建にも10年の歳月が必要でしたが、現代でも寺社仏閣の再建は古式の純木造建築を則ることが多く,完成までにかなり時間がかかるようです。2018(平成30)に301年振りに再建された奈良興福寺「中金堂」のケースでも,立柱式が2010(平成22)とのことですので,実に8年がかりでした。
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