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読書日記 エッセイ ルポ

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エッセイやルポを紹介しています。
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記事一覧

「世界クッキー」 川上未映子 著 文春文庫

最初に読んだ川上未映子さんの本は「ヘヴン」でした。内容もわからず、たまたま題名が気になっ…

向後善之
3日前
5

「答え合わせ」 石田明 著 マガジンハウス新書

そういえば、ここ何年も、僕は漫才というものを見ていません。中川家やナイツは好きで見ていま…

向後善之
2週間前
2

「飢餓俳優菅原文太伝」 松田美智子 著 新潮文庫

菅原文太とは何者なのでしょう? 菅原文太といえば、「仁義なき戦い」。「山守さん、弾はまだ…

向後善之
1か月前
5

「すべてはあの謎にむかって」 川上未映子 著 新潮文庫

週刊新潮人気連載を厳選したエッセイ集です。 「あの日、言葉の大海原に」に書かれたエピソー…

向後善之
2か月前
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「どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか」 みうらじゅん、リリー・フラ…

この本は、電車の中で読んではいけません。隣に座っている人から怪訝な顔で見られるでしょう。…

向後善之
3か月前
20

「イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち」 澤宮優 著 角川新書

イップスは、例えばゴルフのパターの名手が、原因不明のまま、突然パターが思うように打てなく…

向後善之
4か月前
5

「遺体」 石井光太 著 新潮文庫

釜石市において、東日本大震災・津波直後の数週間に起きたことについて書かれたルポです。 この本は、だいぶ前に買い、ずっと読めずにいた本です。 東日本大震災に伴う津波による死者・行方不明者は1万8千人。 その犠牲者たち探し見つけ出し、安置所に運び、身元確認をし、火葬をする、何人もの人たちがいました。葬儀社のOBおよび現役社員、医師、歯科医師、歯科助手、僧侶、消防士、自衛隊員、消防団員などの人たちです。 例えば、民生委員の千葉淳さんは、当時すでに定年退職していたのですが、膨

「すばらしい暗闇世界」 椎名誠 著 新潮文庫

現代の日本の夜は明るすぎです。欧米は、間接照明が多いので、家の中は、日本より暗いです。 …

向後善之
5か月前
1

「みみずくは黄昏に飛び立つ」 川上未映子 村上春樹著 新潮社

聞き手が川上未映子さん、語り手が村上春樹さんです。こりゃぁ、読まなきゃと思って買ったので…

向後善之
10か月前
1

「人間通の名言」近藤勝重 著 幻冬舎新書

2024年5月に亡くなった名編集者の近藤勝重さんの、名言にまつわるエッセイ。 「生きるために…

向後善之
6か月前
5

「熔ける」 井川意高 著 幻冬舎文庫

全ての事象に揺らぎがある。その揺らぎが、いつどんな形でどんな大きさで起こるのかは、誰にも…

向後善之
6か月前
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「森の文学館」 和田博文 編 ちくま文庫

森をテーマにした小説やエッセイを集めた不思議な本。 村田沙耶香、倉本聰、宮沢賢治、多和田…

向後善之
6か月前
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「ほのぼのお徒歩日記」 宮部みゆき 著 新潮文庫

宮部みゆきさんの小説以外の初めての本。最初に出た平成版にその25年後の令和版を加えて文庫化…

向後善之
6か月前
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「キャパの十字架」 沢木耕太郎著 文春文庫

ロバート・キャパは、おそらく最も有名な戦場カメラマンでしょう。しかし、彼の最高傑作と言われるスペイン内戦時に撮られた「崩れ落ちる兵士」については、やらせではないか?という疑問が当初から囁かれていました。沢木耕太郎氏は、これでもかという執念でその謎を調査し、世界中の誰もが到達できなかったある結論に達します。 ロバート・キャパの本名は、エンドレ・フリードマンです。ユダヤ系である彼にとって、本名を名乗るのが不都合だった部分もあります。さらに、ロバート・キャパというアメリカ人ぽい名