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【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ賀田〜社会福祉士の仕事編〜

おおさわさんの記事に時々でてくる賀田よしたを1回限りですが掘り下げていきたいと思います。

▼吉田が介護の世界知るきっかけになった話はこちら

賀田(社会福祉士)

#レッツチェリー 🍒

おおのさわこのおばあちゃん(帝子)は認知症である。いわゆる要介護者だ。一旦は特別養護老人ホームたりき苑に入居したのだが逃げ出してしまった。不良雄校長先生とおばあちゃんは昔深い仲だったおかげでおばあちゃんは高校に住むことになった。賀田は役所、たりき苑、家族(さわこ)を繋ぎ高校で生活ができるように何度も役所に足を運んで使える制度を使い高校でおばあちゃんが生活できる空間を不良雄校長と作った。

社会福祉士の賀田さんが、さわこの顔を覗き込んで心配してくれている。賀田さんは、25歳の好青年で、さっきの全校集会で行われた認知症サポーター養成講座の際には、女生徒がザワついていた。

さわこの眼鏡の奥にある瞳をじっとまっすぐに見つめてくる。顔が熱い。
恥ずかしくて、小さく大丈夫です、と言ってうつむいてしまった。

『 帝子てるこさん、疲れてませんか? 』

おばあちゃんの目線に合わせて声をかけているのが、蓏萌うりもさんだ。彼女は28歳の介護福祉士で、賀田さんの先輩なんだけど部下だそうだ。
蓏萌さんは、長い髪をポニーテールにしていて小柄だけど清楚で可愛らしい人で高校生と言われてもわからないくらいだったので、これまた全校集会で彼女が登場した時には男子生徒がザワついた。

この二人が丁寧に教えてくれたので、みんな熱心に前のめりに認知症ケアについて学んでいた。

賀田さんも蓏萌さんも、学校の近くにある小規模多機能型居宅介護支援事業所という事業所で日常的に認知症の方へのケアを提供されているようで、今後は学校にもおばあちゃんの様子を見に来たり、その事業所の利用者さんを連れてきてくれたりしてくれるそうだった。

おおさわさんの記事より

高校は宿直があるので夜間は先生の誰かがいる。とはいえ、先生は介護士ではない。夕方になると帝子は「家に帰らないと」とソワソワすることが多い。なんとか繋ぎ止めても夜間に徘徊することがあるので先生たちも困りながらもなんとか対応している。

賀田は不良雄校長から依頼されて毎週先生はもちろんのこと生徒に対して「認知症介護基礎研修」を行っている。

介護授業

認知症介護基礎研修は2021年の介護報酬改定の時、無資格者が介護サービスを提供するにあたり必須となり2024年からは義務化となった研修だ。
介護についてベースとなる知識が身につくので先生や生徒にとってはちょうど良い研修内容だ。
本来なら3,000〜5,000円が必要だが賀田はそれを「クラウドファンディング」で支援を集めて資金面でもクリアした。

高校は土日は誰もいなくなる。さすがにおばあちゃん1人で高校に残すわけにはいかない。なので土日は賀田の施設を使う。施設とはいえ特別養護老人ホームたりき苑とは違い小規模なホームなので気に入ってもらえているようだ。

月曜日になるとおばあちゃんは生徒たちの登校の前に車で田梨木高校へ送られ草むしりを始める。

おばあちゃん(帝子)

生徒たちも「おばあちゃんいつもありがとう」と声をかけ「あんたたちは勉強頑張り〜東大に行くんやで〜。たっくさん恋もするんやで〜」と声を掛け合う。

高校は高校生と先生がいる。
介護施設には要介護者と介護者がいる。
「当たり前を疑う」ことをしないと「高校✖️介護」は成立しない。
経験を重ねるとつい「型にはめる」ようになってしまう。
そうならないように賀田はコミュニティに参加しては情報を仕入れている。

「全国にはアツい気持ちを持った人たちがいるんだ。負けないように頑張らないとな」と賀田はメラメラと燃えていくのだった。

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