【本紹介#6】がっこうはじごく【月曜更新】
皆の思っているかもしれないことをずばっとタイトルにしているなと思い読んだ一冊でした。
学校嫌いな人の、学校嫌いの人たちのためのエッセイ集
とのことでしたが、どちらかといえば学校が好きだった僕が読んだら、白でも黒でもないグレーな立場だけどなんだかんだ「学校も悪くない」となるエッセイだったと感じました。
僕は昔から学校が好きだった。
決して優等生ではなく、よく喧嘩はするし、よく先生に怒られていたのに学校は好きだった。夏休みのお盆が終わったあたりで透き通った青空と大きな入道雲を窓越しに眺めながら、「学校行きたいな」と思ったことを今でもたまに思い出す。
一人になりがちだった僕が誰かと一緒にいられたり、役割をもらえたりしたからなのだろうと思う。僕はクラスで委員長をやったし、部活では副部長だった。学校では孤独にならないのだ。
そんな僕は学校の先生という役割で学校に戻ってきた。やはり役割を与えられて学校にいるのは孤独でなくしてくれる。はじめはたしかに楽しかったし充実していた、はずだった。
学校のやり方や他の先生達の考え方と合わなくなり、次第に孤独を感じ、ついには適応できなくなった。学校が楽しくなくなったのはこの時が初めてだったかもしれない。
学校が嫌いになってから担任を辞めて、授業だけの非常勤講師になった。授業以外での仕事はしなくなったし、服装や細かいことは注意したくなくなったし、他の先生や子どもたちとの距離はずっと遠くなった。
だけど僕は今の働き方のほうが好きだ。「先生みたいじゃない先生」の方が性に合っているようだ。先生という役割を演じるのに疲れてしまったのだろう。自分の考えを、学校の考えを押し付ける役割を僕はもうやらないかもしれない。
大学のゼミの教授が「教師の脱構築」と言う言葉を使って、「自分を先生と呼ぶな、敬語を使うな」と言っていた。ただ興味深いと思っていた考え方だが、今はもっと共感できる。「先生らしくない先生」としてできることをやっていきたいと思う。
「自分はどんな先生になれるか」
「自分はどんな先生になりたいか」をずっと考えたいと思う。
今回は書きたいことがうまく言葉にできなかったので、時間がかかってしましました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
学校の先生になりたいけど迷っている人、学校の先生として悩んでいる人にはぜひ読んでほしい一冊でした。