【#毎週ショートショートnote】鋭利なチクワ
時は戦国時代。
かの国で世にも恐ろしい兵器が開発されたとの噂が各地で広まっていた。
「殿!なにやら、かの国で世にも奇妙な兵器が生まれたと専らの噂でござりまする」
「ワシも存じておる。充分に警戒せよ」
「はは!」
その噂通り、ある兵器を開発した国は破竹の勢いで勢力を拡大。ついにこの国にも侵略の手が伸びてきた。
殿はかの国との決戦を決意し出陣。
だが、かの国の見事な戦術で味方は劣勢、既に本陣にまで迫る勢いだ。
「と、殿、ここはお逃げくだされ!あの国には絶対に勝てませぬ!」
「どういうことじゃ!?」
「あ、あの敵側の武将をご覧くだされ」
敵側の武将を確認すると、手に奇妙なものを握っている。
「チクワ!?」
「さようでございます」
「あのチクワがどうしたのじゃ!」
「あのチクワにあまたの英雄の叡智が全て凝縮されており、さらにチクワ自身が指揮しているようでござる。人々からは『鋭利なチクワ』と恐れられているようでござる。どう見ても勝ち目がござらん。」
(410文字)
この記事は、たらはかにさん企画【毎週ショートショートnote】参加記事です。
今回のお題は【鋭利なチクワ】でした。
歴史が好きなので、戦国時代を舞台に書いてみました。
「鋭利」と聞くと「刃物が鋭く切れ味がいい」という意味で物理的なイメージがありますが、転じて「才気が鋭い」という意味もあることから、今回は「鋭い頭脳を持つチクワ」をイメージして書きました。
つぶやきやショートショートを書くときに、日頃から脳内で連想ゲームをしている訓練が活きている気がします。
ヘンテコなことばかり考えていますが(笑)。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
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