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【#毎週ショートショートnote】デンジャー縞ほっけ部

ある寺の山門を一礼してからくぐった。


ここは隔絶された山中にある寺。


戦国時代には一大宗教勢力を誇っていたのだが、時の天下人に屈し、今では廃寺同然の状況となっていた。



寺の住職が出てきた。


「この寺には部というものがあるんじゃが、お前さんにはここに入ってもらホッケ」


住職に案内されて『デンジャー縞ほっけ部』という看板のある僧坊に入った。



「うぎゃあぁぁ」

「にゃぎあぁぁ」




けたたましい叫び声が聞こえてきた。


「縞ほっけは危険じゃからのう。ああやって叫び声を上げながら食らわんと命が危ないからのうホッケ」


縞ほっけは塩分高めで食べすぎは禁物。
非常に厳しい修行だ。


「ところでお主、どこからやってきたのかホッケ」



これまでのいきさつを話した。


するとそれを聞いた住職はホッケホッケとむせび泣いた。





ここは別名「捨てネコ寺」。

我が輩はネコである。
飼い主に捨てられた身だ。






絶対に許さないにゃ。
修行していつか復讐してにゃるのだ。








待っていろにゃ、人間ども。











(410文字)


今回のショートショートは以下のマガジンに収めています😌



この記事は、たらはかにさん企画【毎週ショートショートnote】参加記事です。
今回のお題は、裏お題【デンジャー縞ほっけ部】でした。


ネコが大好きで、よくYouTubeでネコ動画に癒されており、今日もにゃーにゃー癒されていました🐱

また、今読んでいる歴史作家の故・司馬遼太郎氏紀行文で和歌山県にある「根来寺」の話がありました。

そこから「ネコ✕お寺」を掛け合わせて書いたのがこの作品です。

ちなみに魚の干物は塩分が強すぎるので、猫にはあまり与えないほうがいいみたいですね。
ほっけも塩分高いでしょうから猫ちゃん要注意ですね。


次回のお題にも挑戦します。
ちょっと遅いですが、メリークリスマス!!




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