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漫画 『日本をゆっくり走ってみたよ』の感想〜チャレンジのハードルは、案外低い〜
私はKindleで、読み放題の本をいくつか漁って読んでいます。その中でもこちらの吉本浩二先生の著作を紹介したいと思います。
吉本浩二先生のプロフィール
吉本先生は、ノンフィクション作品を得意とし、味のあって暖かみのある人物像を描くことが特徴の漫画家です。
代表作に、草なぎ剛さん主演でドラマ化された『ブラックジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜』や現在、『週刊モー二ング』で連載されている『定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ』などがあります。
今回紹介する作品は『日本をゆっくり走ってみたよ』です。
コミックスは全2巻です。実話に基づいたノンフィクション作品です。話が簡潔で、ボリュームが足りない感じでしたが、当時で小心者だった著者の心模様がもろによかったですね。こちらは濱田岳さん主演でドラマ化もされています。
あらすじ紹介
※画像は全部コミックス第1巻、一話から引用しています。
画像の通り、簡単にいうと、作者が好きだった女性(Eさん)のために、バイクで日本一周する話です。
吉本先生は当時36歳の独身。『漫画アクション』で『昭和の中坊』の連載を終了し、新作の構想に頭を抱えていました。
友人や先輩の年賀状を見ながら、漫画家としての人生が幸せだったのかどうか分からなくなってきます。
そんなときに、ある写真を見つけます。それは当時書店員だった、7つ年下のEさんと花見での写真です。
どうやら吉本さん、書店でEさんに会えるのが楽しみだったみたいです。ところが知らぬ間に故郷の栃木県に帰ってしまいました。
遊びたいの一言も出ずに、悶々としていた著者は「ツーリングの途中で寄った。」という口実でEさんに会いに行くことを考えます。
それだけだと、なんか不自然に感じた著者は、
「どうせなら、日本全国を走って、Eさんにふさわしい男になろう!」
収入のあてがあるかどうか分からないのに、キャンプセット一式購入して、栃木県の宇都宮市に向かいます。
宇都宮でEさんと落ち合い、一通りデートしたあと、Eさんが8月31日に28歳の誕生日になることを聞きます。
それを聞いて、焦った著者は思い切って言いました。
「今から日本一周に出かけます!Eさんみたいになりたいんです!8月31日、誕生日に宇都宮に戻ってきますから!」
そして宣言通り、著者は日本一周するのですが、果たしてEさんとの約束は果たせるのかどうか。これ以上はネタバレになるので、ここで終了です。
挑戦の理由はなんだっていい
挑戦する理由に具体性を持たせることってできますか?僕はできませんでした。これまでの挑戦の理由を挙げてみましょう。
バスケ部→友人がやりたいって言ってたから一緒に入部
海外一人旅→なんとなく国際交流したかった
進学→なんとなく研究者になりたかった
全部理由は単純でした。そのせいか諦めた理由も単純でした笑。かっこいいから、モテたいから、家族の後を継ぐためとか、結局きっかけってなんでも良いじゃないですか。
具体性のある理由ってなんですか?会社の面接だと、志望動機がそれに値しますかね。
理由が重たいと、辞めたあとのダメージが大きいですよね。夢半ばで挫折するわけですから。やりたいと思ったことをとことんやって良いと思うんです。そこでハマったものがあればそれを徹底的にやればいいんです。
有名人でも始めた理由は単純なんです。子供の頃からなりたかったわけではなく、ちょっとしたきっかけでどっぷりなんですね。
たとえばMr.childrenのボーカル、桜井さんは、姉にギターがうまいと言われたのがきっかけでその気になり、バンドを始めました。
iPS細胞を発見した山中伸弥先生は最初から研究者になりたかったわけではありません。元々不器用であったせいで、整形外科医を諦め、なんとなく臨床医になろうとしたのがきっかけです。
もちろん、崇高な理由で始めた人も中にはいると思いますが、ほとんどは嘘に近しいでしょう。日本は、崇高な理由で物事を始めることが正しい節があるような気がします。
吉本さんが旅したきっかけも、Eさんと付き合いたいというたったそれだけの理由。独身の36歳中年男でも、日本地図を作成した伊能忠敬と同じように、日本一周が可能だったんです。
挑戦に年齢は関係ない
独身で36歳、次の仕事の保証がない状態で旅に出た吉本先生。側から見れば、「良い年こいて何してんだ、さっさと仕事見つけろ。早く嫁さん見つけろ。」っとツッコまれることでしょう。
※ちなみに著者は2020年現在、結婚しています。お相手がEさんかどうかは、実際に単行本を読んでみてください。
そもそも良い年って何なんでしょうか。それって言ってる人たちの勝手な価値観じゃないですか。
やることなすことに年齢って必要でしょうか。収入は必要なのでしょうか。吉本さんの場合は、貯金と2ヶ月に一本入るイラストの仕事で食いつないで旅をしたわけです。
自分の思考を他人に犯される筋合いはないです。犯されていたとしたら、それは洗脳です。
4ヶ月間、日本一周の旅をした結果、こうやって書籍化することもできたし、ドラマにもなったわけです。
もちろん全てがうまく行くとは限りませんが、自分が納得できるならそれで良いと思いませんか。
まとめ
「思い立ったら吉日」とは良く言ったものです。挑戦する際には応援してくれる人もいればアンチもいます。
「お前になんかできっこない。」「無謀だ。」こんな言われのない言葉を投げかける人って一体どんな気持ちで投げかけているのでしょう(おそらく嫉妬)。
大事なポイントは「自分の思考を他人に犯される筋合いはない。」自分が思った通りに行動してみる。失敗しても、もう一回、または別のことに挑戦してみる。
何はともあれ、自分自身の人生であることを忘れてはいけませんね。
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