ベースを弾いてみたいと思った君たちへ
皆さん、こんにちわ!
「世界一下手なプロベーシスト」でお馴染みの黒柳能生です。
プロと言っても、僕が所属しているバンド(SOPHIA)がメジャーレーベル
TOY'S FACTORYと契約しているというだけで、ベースのプロではないのですが……知らない方がほとんどですよね。
そんな事は百も承知なんです。
でも!今ココを見てくれてるという事は、数少ないSOPHIAのファンの方か、もっと少ない僕のファンの方か、ベースという楽器に少しでも興味を持ってくれている方だと思うんですよ。
いや、「たまたま見かけただけ」とか、ただの冷やかしでも全然OKですよ。
まぁ、せっかくなんで30年(1994年結成)もやってるクセに大した人気も実力もないオワコンバンドのヘタクソなオジサンベーシスト(1972年生まれ)の話も暇つぶしに聞いてみてください。
たまにはそんな時間もあって良いんじゃないでしょうか?
まずは僕の自己紹介からしましょう。
愛知県出身の52歳(2024年5月現在)で、1990年から名古屋でバンド活動を始め、DIE-ZW3E(ディザイと読む)というインディーズバンドで初のアルバムを発表し全国ツアー(15ヵ所)を慣行、同バンドを1993年に脱退し1994年にSOPHIAに加入、1995年10月にTOY'S FACTORYからメジャーデビュー。
その後は特に売れる事もなく細々と活動を続け、今年(2024年)結成30周年で、来年デビュー30周年を迎えます。
※ちなみにベース歴は35年ですが、冗談抜きで全然練習しなかったので、腕前はそれなりです。ただ、これまでにサポートも含め1000本以上ライヴをやっているので経験値だけはあります。
さて、そろそろ本題に入りましょう。
皆さんは「どういった経緯でベースを弾いてみたいと思ったのでしょうか?」…コレが結構重要なんですよ。
「●●さんに憧れて」「バンドをやってみたい!」「簡単そうだから」
理由はいろいろあるでしょう。
でも詰まる所「自分にも出来そうだから」ですよね。
そうです。そうなんです!
ベースは「出来そう」なんです。
そして、誤解を恐れずに言うと「出来ちゃう」んです!
それで良いんです!
あらゆる楽器の中で「最も入り口が広く、敷居が低い楽器」それがベースです。
ただ弾くだけなら、ギターの様に何本の弦を同時に抑える事も、速弾きも必要なく、キーボードの様に両手を駆使する必要もなく、ドラムの様に両手足をバラバラに動かす必要もありません。
極端な話、左右の手に指が1本ずつあれば、なんならベースも弦が1本あれば十分演奏が出来ます。
ベースという楽器の基本的な役割は「楽曲の低音部分を支える事」なので、簡単な曲なら、始めたその日に弾ける様になる事も可能です。
これホント。
ほら、ちょっと興味が湧いてきたでしょ?
だから、そこのアナタ!
ベースを弾いてみませんか?
最初は全員初心者ですから弾けなくて当たり前、それでも上手くなる前の「基本的な事」が弾ける様になるのは簡単です。
楽譜?そんなの読めなくても大丈夫!
交通ルールを知らなくても自転車やスクーターはちょっと練習すれば乗れるでしょ?
それと同じで、「乗るだけ」「弾くだけ」ならすぐに出来るようになります。
なぁに、僕が出来たのですからアナタにも絶対に出来ますよ!
僕が出来て、アナタに出来ない理由なんてありません。
まずはベースを手に入れましょう!
ベースは何だって構いません。お父さんのお古でも、高級品でも初心者用の安いモノでも何でも良いです。
いきなり6弦ベースだってOKです。
個人的に、最初は2万円程度のベースで十分だと思っていますが、「このカタチのベースが欲しい!」みたいな具体的なものがあればそれを購入するのもアリです。
音楽は自由だ!
さあ、楽器屋さんへGO!
楽器屋さんで「初心者です。予算は〇〇円ですがオススメはありますか?」なんて感じで聞いてみると良いですよ。
ショートスケールという小さいベースもありますし、軽いベースもあるので安心ですね。
それに、これからベースを始めるという人のために一式そろった「初心者セット」的なモノを取り扱っているお店も多いので、右も左も分からないという方には心強いですね。
もちろん中古でもOKです。
リサイクルショップなどでもかなり安く手に入りますが、専門店の方がアフターケアも充実しているのでオススメです。
僕がよく行くイケベ楽器店にもリユース専門店があります。
ちなみに僕がメインで使用しているのはVellmor Guitars製ですが、SagoやSTEINBERGERも使っています。
一応プロの端くれなので、かなり高額ですし、作ってもらっているので普通のカタチではありません。さらに非常に弾き難いのでオススメはしません。
こんなこと言ったらVellmorやSagoに怒られるかな。
ま、僕は弾き難さよりもこのカタチが欲しかったので愛用しています。
ちなみにSTEINBERGERは6万円くらいですがこれも決して弾き易いベースではありません。しかし、小さくて軽いので重宝しています。
ベースを手に入れたら、最初にするのはチューニング(調律)です。
チューニングしないで弾くとまともな音階にはなりません。
ちなみに、僕はチューニングそのものを知らなかったので楽譜通りに弾いてもオカシナ音しか出ず、心が折れたことがあります。
昔からBOSSのチューナーを愛用していますが、チューニングが出来れば何でも良いです。
今はスマホ用アプリもあります。
便利なので家で練習する時はチューナーアプリを使ってます。
チューニングは低い音の方(4弦)からEADG(4弦E・3弦A・2弦D・1弦G)です。
チューニングが出来たらいよいよ音を出してみましょう!
おっと、その前に…
アンプに繋いでみましょう。
僕は長らくAMPEG SVTⅡ PROやIbanez Prometheanを使ってきましたが、次のツアーからはMark Bassを使おうかな?と思っています。
…が、最初からこんな大きなアンプは必要ありません!
ヘッドホンアンプと呼ばれる小さいもので十分です。
安いモノなら1500円程度から購入できますし、ヘッドホンで聞くので周囲に迷惑をかけずに練習できます。
僕もつい最近までVOXのヘッドホンアンプを使用していました。
…が、現在は充電式で小さくて軽くてスマホアプリで制御も出来るPositive GridのSpark GOを練習に使っています。
アンプに繋がずに練習するのも良いのですが、やはり早く上達するにはちゃんと音を出して練習する方が良いです。
ちなみに僕はSTEINBERGERとX VIVEのワイヤレスを組み合わせて使っています。
出先でも手軽に練習する事が出来るので気に入っていますが、決して安いモノではないので参考までに。
さあ、いよいよ音を出してみましょう!
まずは4本の弦を開放(何も押さえないこと)で1本ずつ鳴らしてみましょう。
指でもピックでもOKです。
せっかくなので各弦を4弦(一番太い弦)から4回ずつ弾いてみましょう。
ゆっくり、でも出来るだけ同じリズムで、他の弦を一緒に引かない様に、弦の振動を感じながら…
はい、これがベースの音です!
そしてこれが出来ればもう弾けたも同然!
もうEADGの音を出せているんですから。
ベースの世界へようこそ!!
これでベーシストの仲間入りですね!
では、次に各弦の3フレット目(ヘッド側から数えて3番目)を人差しで指押さえながら、先程と同じように4弦から各弦を4回ずつ弾いてみましょう。
ゆっくり、でも出来るだけ同じリズムで、他の弦を一緒に引かない様に、弦の振動を感じながら…
はい、これでGCFB♭が弾けました!
おっ?さっきは1弦の解放がGだったのに、4弦3フレットを押さえながら弾くとGになる!
そうなんです!ベースは同じ音が出る場所が沢山あるんです!
そしてもう一つ。これで7つの音が弾けたんです!!
実は僕たちはドレミファソラシド(Cメジャースケール)をCDEFGABCに置き換えて会話をします。※ここではコード(和音)とは区別しています。
そこで今、弾けた7つの音EADGCB♭Fを並び替えるとCDEFGAB♭Cになる…なんとドレミファソラシド!
…シが♭が付いちゃってるから厳密にはC7スケールなんだけど、今は細かいことは気にしない!
1弦の4フレットを押さえればBの音になるので、これでドレミファソラシド(Cメジャースケール)の完成です!
ドレミファソラシドが弾ければ色んな曲が弾けちゃいます!
「きらきら星」とか「チューリップ」とか、もう沢山のメロディーが弾けちゃうんです!
…でも、これでは弾く弦の順番がメンドクサイですよね。
では、3弦だけでCメジャースケールを弾いてみましょう。
3弦3フレット目を「ド」として3弦のどこが「レ」なのか「ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」なのか探してみてください。
押さえる指は人差し指だけでOKです。
正解は3弦3・5・7・8・10・12・14・15です。
これでドレミファソラシドが弾けました!
でも、これもまだ移動が多くて(僕はこの弾き方を多用しますが)曲を弾くにはメンドクサイですよね。
それでは、3弦3・5、2弦2・3・5、1弦2・4・5の順番に弾いてみてください。
押さえる指は、中・小・人・中・小・人・薬・小の順番です。
…おおっ!ドレミファソラシドが出来た!!
これを「Cメジャースケール」と呼び、ベースの練習の基礎となります。
まずはコレをひたすら練習してみてください。
ドレミファソラシドからドシラソファミレドの練習もしてくださいね。
ゆっくりで良いです。慣れてきたら少しずつテンポを上げていってください。
スケール練習に飽きたら「きらきら星」や「チューリップ」「かえるのうた」…なんでも良いです。簡単な曲を弾いてみてください。
※指先が痛くなるのは良いのですが、指の関節や筋が痛む場合は練習を中止してください。
ちなみに、3弦4フレットを「ド」として同じようにドレミファソラシドを弾くと「C♯メジャースケール」、さらに1フレットずらして3弦5フレットから始めると「Dメジャースケール」、どんどんずらしていくと「D♯」「E」「F」「F♯(G♭)」…となっていきます。
同じように4弦3フレットを「ド」としてやると「Gメジヤースケール」になり、1フレットずつずらす毎に「G♯(A♭)」「A」「A♯(B♭)」「B]…となります。
この様に、ベースはパターンを覚えるだけで色んな曲に対応出来るようになるんです。
ほら、簡単でしょ?
大切な事・注意点
練習する時の注意点は「弾いていない他の弦が鳴らない様にする事」です。これは弦を押さえている指以外の指を、弾いていない弦に軽く触れさせる事で防ぐことが出来ます。
これを「ミュート」と言います。
最初は難しいかもしれませんが、意識して練習していると自然に出来る様になります。
練習する時に大切なのは「意識して練習する事」です。
「しっかり音が出る様に意識する」「ミュートが出来る様に意識する」「同じテンポで弾ける様に意識する」
それだけで上達のスピードが速くなります。
そして、これをひたすら練習していると他のスケールやマイナーコード(コード=和音)やセブンスコード、その他のコードの仕組みが理解しやすくなり、それが理解出来ればもうどんな曲も弾ける様になります。
上手くなるのは険しい道のりですが、普通に弾ける様になるのはそれ程難しい事ではありません!
一緒に練習しましょう!
続く!↓
-おまけ-
僕の愛用している弦です。
ピンクの弦もDRです。
愛用しているエフェクターブランドです。
僕のエフェクターボードを埋め尽くしています。
シールドやスピーカーケーブルも特注しました。
今、大注目のケーブルブランドです。
シールドや、大量のエフェクター同士を繋ぐパッチケーブルを特注しました。
使用しているベースです。
チューナーです。