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【らんまん】植物学教室を出禁に…【第17週・ムジナモ】
「らんまん」第85話感想です。
万太郎は、池で見つけた水草(ムジナモ)の論文と植物画の作成に注力しました。作成しながら、植物学教室の仲間や助教授、教授の顔が浮かびます。彼らがいたから、自分はこの論文をかけたのだ…。万太郎は感謝の気持ちをつぶやきながら筆をすすめ、とうとう完成にこぎつけました。
一方、田邊教授は、留学時代の恩人であり、文部大臣に就任することになった森有礼(橋本さとしさん)のはからいで、女学校の校長に就任。校長の役目を追われた美作から「植物学教室には実績がない」と嫌味を言われても、「面白い発表を用意している」と余裕の表情です。
満を持して、万太郎は植物学雑誌の最新号を、教室の皆にお披露目…。万太郎が描いたムジナモの植物画の精密さに、皆驚嘆しました。
しかし一人険しい表情の田邊教授…。
「君は、自分の手柄だけを誇っているんだな」とつぶやきます。
大窪助教授が慌てて、ムジナモを同定した田邊教授の名前が入っていないことを指摘し、自分の落ち度を詫びるとともに、万太郎に書き直しを命じましたが、時すでに遅し…
田邊教授は「もういい、今後、わが東京大学植物学教室への出入りを禁ずる」と、万太郎に告げたのでした。。
牧野博士が植物学教室を出禁になった経緯は、少し異なっていたようです。牧野博士の自叙伝には以下のように記されています。
…大学の矢田部良吉教授が、一日私に宣告して言うには、
「自分もお前とは別に、日本植物志を出版しようと思うから、今後お前には教室の書物も標品も見せることは断る」というのである。私は甚だ困惑して、呆然としてしまった。
『ボタニカ』ではこの件を膨らませて、大学の書物や標品を散々用いて研究した成果を「牧野富太郎」の名で刊行していることは厚顔にもほどがある、と矢田部教授が憤慨した様子が描かれていました。
ムジナモの件については、らんまんの植物監修をされている田中伸幸氏が、著書の中で、
日本新産種を発見してもそれが何だかわからなければ報文は書けない。ムジナモの報文は矢田部と共著で発表されるべきものであっただろう。
と指摘していました。きっと監修の方の考えで、今日のようなシーンにアレンジされたのではないかな…? と想像しました。
ムジナモの和名を付けたのは牧野博士だったようです。この経緯は、あまり詳しくは描かれていませんでしたね。
昨日の放送で、園子ちゃんをあやしながら「ムジナモじゃ~」とかなんとかつぶやいていたシーンがあった気がしますが、もう名前を付けたのかな?? とちょっと違和感がありました。
いずれにしても、万太郎、そして牧野博士の世渡り下手な面が、マイナスに働いてしまったエピソードなのかな…と思います。
でも、あちこちに気を使って目上の人を立てて…といったことに気を取られなかった(気づかなかった??)分、真っすぐ研究に向かうことができ、結果的には大きなことを成し遂げられたのかな…とも思います。
万太郎の今後に期待したいですね。。