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【置かれた場所で咲く】アメリカフウロ

住宅地と線路に挟まれた、アスファルトの道路の隅に、アメリカフウロが咲いていました。
図鑑での花期は5~6月となっているのですが、いつも、もう少し早くから咲いている印象があります。

私は花びらが5枚ある花が好きです。サクラやウメはもちろん、カタバミやこのアメリカフウロにも、とても心を惹かれます。
花の大きさは7~8mmくらいと小さいのですが、花びらの先が少しへこんで、サクラにも似ていますよね。
葉が細かく切れ込んでいるのが、また魅力的です。

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アメリカフウロは、もともと北アメリカの植物で、日本にはありませんでしたが、昭和初期に日本に入ってきて、定着したそうです。
私は植物好きですが、珍しい植物を見るために高い山に登ったり、全国各地を旅したりすることはなかなかできず、どうしても、日常生活の行動範囲内で、植物を観察することになってしまいます。
そんな私にとって身近な植物は、公園や花壇のお花、街路樹、そして道端の草花なのですが、都会で見られる草花の多くは、このアメリカフウロのような、外国生まれの「帰化植物」だったりします。
セイヨウタンポポやオオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、オランダミミナグサなど、身近なお花の多くが外国生まれです。

昔から日本に生えていた「在来種」が多い環境が、本当の自然だ……という考えもあるのかもしれませんが、バタバタした毎日の中、家の周りの草花に癒されている私にとっては、帰化植物も愛しい存在です。

帰化植物は人間の行動によって持ち込まれるので、必然的に、人口の多いところや、人が改変した土地に生えてくることになります。
アスファルトや造成地は、植物にとって住みやすい環境には見えませんが、見知らぬ異国に連れて来られて、在来種がいないニッチな環境に素早く入り込み、自分の居場所を作った帰化植物はたくましいな……と感じます。

帰化植物の中には、増えすぎて駆除される種類もあります。仕方ないのですが、植物は何も悪いわけでなく、これだけ人間の移動が自由になった現代では、必然なのかなと思ったりします。

だいぶ前にアメリカに行ったときに、オオイヌノフグリを見て、不思議な気持ちになりました(オオイヌノフグリはヨーロッパ原産なので、アメリカでも帰化植物ですね)。
アメリカフウロは、故郷では、本来どんなところに生えているのかな……? 日本の居心地はどうなのだろう? アメリカフウロに、故郷の話を、ちょっと聞いてみたくなりました。

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