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 日本語教室の小学生の授業で重点的に取り組んでいるのは、語彙力の強化と表現力の向上です。
 これには毎日の家庭学習が欠かせないのですが、週1回の授業であっても何か学習の刺激になっるために取り組んでいます。

 語彙が増えれば、自分の言いたいことも表現できます。日本語が自然とどこにでもある環境であれば問題ないのかもしれませんが、海外のように日本語に触れる機会が限定的であれば、子どもたちの語彙も限定的になります。

 子どもたちに会うことができるのは、たったの週1回90分です。その中で、日本語の力をつけるために取り組みたい活動がたくさんあります。
 工作や理科の内容を日本語でやってみたり、教科書や多読教材を使っていろんな物語や説明的文章に触れてみたり、漢字学習や日本語の表現力を高めるトレーニングも取り組んでいきたいと思っています。
 子どもたちに負担を与えずに如何にいろんな学習に触れさせるかについて常に考えています。

 最近は、漢字学習に力を入れています。漢字の元となったイラストを用いたり、1年生の漢字でも抽象的な意味を表す漢字(「気」など)が出てくるので、漢字学習と語彙力の強化を結びつけて行うようにしています。
 そもそもその言葉の概念が分からないと理解できない漢字も多い、ということが最近の授業の中で分かりました。
 こういった苦手とされる漢字学習も、元々のイメージを抑えることができれば、複数の読み方があったり読み方を忘れてしまったとしても、イメージ捉えたことが残っているので、読み方を推測したり、仮にそれが読めなくても文章の意味を考えることができると思います。

 漢字の中には、元がよくわかっていないものや、仮説があったとしても「私にはそうは見えない!」となる文字があります。
 漢字について話す時は、今と昔の生活の違いの話になったり、その言葉自体のイメージが昔は異なっていたことがわかったりするので、漢字学習の奥深さを痛感しています。むしろ、漢字だけで授業が全て終わってしまうのではないかと思うぐらいです。

 私の日本語講師としての経験は浅いので、それがどこまでの効果をもたらすのかは不明です。しかし、少なくとも子どもたちが興味を示し、自ら取り組んでみようとする姿勢を作ることで、漢字学習の面白さを実感し、自らいろんな漢字を習得できるようになっていけるようにサポートをしていきたいと思います。

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