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疲れ切ったあなたに。回復したいときに何をすればよいのか

 精神が疲れ切ったときにはネガティブな考えに支配されることがあります。冷静な判断ができないことで、本人はどうすればよくなるのかイメージがつかないこともあるでしょう。

 前回の記事「【失恋に効く薬】どん底に綺麗に着地しよう」では、落ちるところまであえて落ち込むことで、気持ちを吐き出していくことを推奨していました。
 どんなことで悩んでいるのかがハッキリしているときは人に話すことで気持ちを落ち着かせることがしやすいですが、曖昧な状況ではとても相談がし辛いかと思います。

 そんなときにおすすめの心を回復させるための方法について本を読んで実践し、効果を感じたものをご紹介したいと思います。

現代人は体よりも思考を大事にしすぎている

 時代や環境ごとに人が評価されるものは変わります。小学生のときは運動ができる男子がモテて、中学以降は運動だけでなく勉強ができる人が称賛されます。戦争の時代は闘うことに長けている人や戦略を考えることに長けている人が称賛されていたのではないでしょうか。

 現代の社会人はホワイトカラーが主で頭が良いことが称賛されます。体を動かすことよりもいかに頭を使えるかが大事というわけです。体を整える本よりもビジネス書やビジネスのハウツー本のほうが陳列されているのは、体よりもいかに思考を鍛えられるかに関心があるからではないでしょうか。

 仏教の言葉に身口意の三業(しんくいのさんごう)という言葉があります。これは人間の3つの行いのことを指しており、身は体に関わる行為、口は言語に関わる行為、意は意志に関わる行為のことを指します。
 佛心宗福厳寺住職の大愚和尚は、身口意の順番が逆になり、体よりも気持ちを先に重んじすぎると悪循環に陥ると仰っています。行動するよりも先に気持ちを重んじすぎるから気持ちが整うまで行動できず、行動できないことにより落ち込んでいくという悪循環にハマっているのではないかということです。
 心身を整えるときにはまずは”心”よりも先に”体”を整えることを重視しようとも捉えられるのではないでしょうか。

 私はこの言葉を聞いたときに本当にそうなのかと半信半疑ではありましたが、心よりも先に体を回復させるべく、寝食に気を遣い、朝は10分以上日にあたり散歩をすることにしました。

 すると、状況が一転して何か良くなったわけではありませんが、自身のストレス耐性はついたようで、心理的なブレが少なくなったような気がします。

 朝日を浴びることや運動することはメンタルをコントロールする効果のあるセロトニンという物質を生んでくれますし、食事と睡眠をしっかり摂ることも同じく心を整えるのに通じます。
 科学的にも心を健康にするには健康的な生活を送り、体を整えることが大事だということは調べればすぐに出てくるものではありますが、過去の自分のように思考だけでどうにかしようとする方もいらっしゃるかと思いますので、体から整えようというご紹介させていただきました。

小さな自信を持ち続ける

 健康的な生活とともにすると良いのが自分だけが自信を持てるくらいの小さな成果を実感するということです。心が疲れ切ったときは自信を失っていることがあります。そんなときにおすすめの方法です。

 この方法はプロゲーマー界でもレジェンドとされる梅原大吾さんが実践していることで、家のドアの鍵を閉めるということだけで成長を感じられるくらいがちょうど良いと仰っています。他人からしたらごく当たり前のことだけれど、自分にとってはちょっぴり頑張ったと思えることを自信が湧く行動として定義すると、失いかけていた自信を少しずつ取り戻せると思います。

梅原さんからしてみれば、

「頑張ってる意識を持てないくらいの低いハードルがある意味で理想的」

だそうです。
 私の場合は、皿をすぐ洗う、服を洗濯ネットに入れるということをしています。

 実践してみて気づいたことですが、自分なりの自信をつくる小さな行動を決めておくと自分が不調になりかけているサインも見逃さなくて済むようになります。皿をすぐ洗うや服を洗濯ネットにいれるということをしない日がでるとそこまで気が回らないようになっている状態で、心も疲れ始めています。
 自信をつける小さな行動をすること自体が億劫になりはじめたら基盤である健康的に過ごすということに立ち返るようにしています。すると、大きく心身を壊さないようにすることができるのではないでしょうか。

貢献感を持てるようにする

 健康的な生活をすること、自信をつける小さな成長を感じる行動を日常化すること、これらができるようになったら貢献感を持てる行動をすることをおすすめしています。

 心が疲れたときはとことん自分を大切に見直すことで回復の兆しが見えてきますが、その方法のひとつが貢献感を持てるようにすることだと思います。これまで紹介してきた方法とは異なり、自分の行動だけで帰結するのではなく、他者を巻き込んで回復する方法です。

 心理学者のアドラーは人の悩みは全て人間関係に帰結すると言っており、悩みから解放されるには他人から嫌われても良いという勇気を持つ必要があると説いています。嫌われる勇気を持つ方法の1つとして紹介されているのが他者への貢献感を持つということです。

 他者への貢献感を持つことは、自分が誰かの役に立っているという感覚を育て、自分が存在している価値を見出しやすくしてくれます。
(たとえ他者に貢献していなかったとしても生きている価値はあると思いますが、生きている価値を”見出しやすく”するためには貢献感を持つことが必要だと思います。)

 他者貢献を通じて自身の価値を再認識することが、心のエネルギーを回復することに寄与してくれます。
 私も、心身が優れず半ば引きこもり状態だったときに友人の誕生日プレゼントを渡しにいって喜んでもらったら、元気が湧いてきた経験があります。

まとめ

 心よりも体をまずは大事にしてみることで、心も次第に回復していくということを紹介してきました。

 体を健康するにあたり、おすすめの方法として運動も当てはまりますので、関連情報に添付させていただきました。自己コントロール能力を鍛えるためには、また脳を老化させないようにするためにはどんな運動が必要でどれくらいの頻度で行えばよいのかについて記載しています。

 心が疲れ切っているときは、自分を労る生活を送ることで、少しずつ回復していくものです。焦ることは悩みを増幅させる反芻思考に陥りますので、焦りすぎずにゆっくりと過ごしていくことをおすすめします。

 とは言うものの、自分だけがゆっくりと進んでいる感覚は焦らずにはいられないといった意見もあるかと思いますので、今後は他者の目を気にしないで過ごす方法についてご紹介してみたいと思います。

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