文学フリマ東京38に行ってきた
文学フリマ東京38に行ってきた。
文学フリマ(文学作品展示即売会)とは
文学フリマは自己理解の機会でもある。
どんなブースに興味があるのか、どんな装丁に心惹かれるのか、どんなことには目が向かないのか、歩いているうちにわかってくる。
僕の場合は、あたかも商業出版といういでたちのものはあまり心惹かれず、手作り感満載のもの、特に小さなA6版の本に心がときめくようである。
開場は12時だったけれど、到着したのは14時半頃だった。そこから約1時間かけて、第一展示場をまわった。
道の両側にブースがあるが、前回は両側を行ったり来たりしていて効率がわるかったので、片側ずつ見てまわった。
ついつい気になってしまうものもあれば、出店者から声をかけられて作品を拝見することもあった。作者と話ができることも文学フリマの魅力であり、それを楽しむために来ているような人も多いと思う。
フリーで配っているような作品やフリーペーパーも多く、それらは遠慮せずにいただいた。
一瞬気になるけれども、冷静に考えたらそうでもないかな、と思いつつ通り過ぎてからやっぱり気になる、戻って見てみよう、ということもよくあった。理由はわからないけれども、なんか気になる、という作品も多いのだ。
一般の書店では決して手に入らないような作品がほとんどだと思うと、緊張感がある。どれも、ここで逃したら、一生手に入らないだろう。
そう考えると、ついつい購入がはかどってしまい、あっというまに予定予算に達してしまっていた。
怖ろしいことに、そこからさらに課金してしまうのが、オタクの性である。
残り1時間を切るころには、すでに完売してしまっているところや、商品がほとんど残っていないところ、片付け始めているところもどんどん出てくる。
概ね第一、第二展示場の随筆から小説、絵本などのブースをまわり、最後に行ったのが第二展示場の詩歌のブースだった。詩歌だけでも膨大なブースがあるのだが、おもしろそうな作品が多い。しかし、既に予定予算はオーバーし、財布の紐が固くなってしまっていた。それでも、全く買わなかったわけではない。
最後の30分は、再度第一展示場をまわった。そこからさらに気になる作品を購入。もう、半分やけである。
そして、そのころには、自分もZINEを作って出品したいと考えていた。この人を誘ったらどうだろうか、いくらくらいかければいいだろうか、時間はどのくらいかかるだろうか、そして、いつごろの出店を目指そうか、などと思いにふけりながら、終了時刻を迎えた。
今回が2回目の参加だったが、前回よりもいっそう、出店してみたい思いに駆られた。たぶん、客としてめぐるのも楽しいが、出店するともっと楽しいと思う。
幸い東京は年に2回の開催、それも最大規模のブース数があるので、チャンスはある。(応募者も最大規模だろうけれども)
今回手に入れた作品をゆっくりと楽しみながら、自分だったらどんな作品を作りたいか、考えていきたいと思う。
今回手に入れた作品一覧
作者「作品名」(印刷所)サイズ感
林柏和「たとえその愛は孤独だとしても」(OTACLUB)A6
ほしおさなえ×九ポ堂「一四〇字小説活版カード第一期 海のなかの町」(緑青社)名刺サイズ
村上智一「レイアウト見本帳 A6版」(株式会社緑陽社)A6
黒田渉「ジゲン」A6
あや「小さきものを愛づる日々」(スターブックス)A6
数田朗「私たちは愛なんて知らない」(株式会社ポプルス)A6
三ツ石れい「片道きっぷ、出雲行」A6
午後3時のワルツ「from a lemon sapling」A6
食欲の人(編)「胃弱辛拉麺食記」(ちょ古っ都製本工房)A6
九里方兼人「九里の華」A6
梅原大樹「自分の理解できない世界で、私は幸せに暮らしたい」A6
沼野ハチス「ひそやかに埋まるための場所を求めて」A6
なかつるかよ「ふりむくと、母が笑っていた」(BAR CLAPTON)A6
りな「恋愛相談」(同人誌印刷ペンタロー)B6
林柏和「鞍馬のゆきみち」(OTACLUB)B6
KAME「MIZIKA vol.1」(レトロ印刷)B6
中村竹夫「ぼくの北朝鮮訪問記」B6
伽藍配置「エコーチェンバー 快調・邑崎郁彦の場合」(えこだ堂)B6
伽藍配置「エコーチェンバー② RT妖怪・くわっつの運命」(えこだ堂)B6
伽藍配置「エコーチェンバー③ 代議士・護国寺之助の告白」(えこだ堂)B6
困ってる人文編集者の会「おてあげ 第1号」(株式会社イニュニック)B6
文芸同人習作派「LE MENU 初夏」(出版工房虹色社)A5
文芸同人習作派「CARBON NEUTRAL」(出版工房虹色社)A5
ポリアモリーウィーク実行委員会(編)「ポリアモリーウィーク2023講演録~恋人はひとり、じゃなくてもいい~」(イシダ印刷)A5
クリス・シンコフスキー「防犯標識からわかること 外国人社会学者から見た日本における標識」(グラフィック)A5
おふたろう・AKIRA「Sapporo Cult Classics 怪文書特集」A5
おふたろう・ルカ・AKIRA「Sapporo Cult Classics Vol.04」A5
ひめごと発行所「百合俳句アンソロジー ひめごと Vol.1」(株式会社ちょこっと)A5
しまや出版「文字書きさん向けガイドブック」(しまや出版)A5
柾木信広「伝 令和口裂け女」A4
【参考】今後の文学フリマの予定
6月
7月
9月
10月
12月
1月
2月
この記事が参加している募集
サポートしていただければ嬉しいです!