2022年に読んだ本たち
2022年もいよいよ大晦日。
ここ数年、一年間に読んだ本を年末に振り返っていたので、今年も書き留めておきます。
今年は、保育士試験に挑戦するために読書を控えていた期間があるので、いつもより読んだ数は少なめでした。
読み終わって、「あー、楽しかった」となるのは時代小説です。特に戦国時代物が好きで、気持ちや仕事の状況がある程度満たされて落ち着いているときには、娯楽として読む時間を確保できます。余裕がないときには、純粋に楽しむことが出来ません。
そう思って振り返ると、どんな日々を過ごしていたかが、浮かび上がってきますね。
今年読んだ時代小説は、『黒牢城』、『軍司の門』、『真田三代』、『男の一生』、『銀の猫』。4作品めまでは、戦国時代が舞台になっているもので、僕も知っている武将たちが活躍したり、その裏の顔や周りにいる人たちとの人間模様も楽しめます。
『銀の猫』の舞台は、江戸時代。介抱人という今の介護職員が主人公です。介護が必要となった高齢者ひとりひとりと向き合う姿は、どんな時代でも大切だよと語れていることで、物語で疑似体験をしながら令和の介護についても考えさせられました。地域の方が貸してくれたおかげで出会えた、どえらい物語です。
『シンクロと自由』、『ぼけと利他』は、地域でお世話になっている特別養護老人ホームの代表が書かれた本で、その施設が舞台になっています。そこでの出来事、村瀬さんが感じられたことや大切にされていること、それらが村瀬さんの語りでやさしく深く心に響きます。介護に対する見方を変えてくれるし、生き方そのものを見直させてくれると僕は感じています。
『ぼけと利他』の方は、伊藤亜紗さんとの往復書簡という形式で構成されているので、おふたりのやり取りによってさらに深みを増してくれた感じです。
どちらもテーマは「介護」ですが、介護とは直接かかわりのない人にこそ読んでほしいと思う本。生きることそのものに直面することで、自分と他者が存在する社会でどのように生きればいいのかを考えさせてくれるから。
タイトルを並べて改めて見つめると、『雪国』のような歴史に残る作品も年にひとつずつくらいは読んでいきたいと思うし、どれも読んでみたらいいよと勧めたくなるものばかり。
そんな中で、今年の一冊を選ぶとしたら、・・・
『世界は贈与でできている』
読書のきろくでも書いたけど、自分が何かを誰かに与えられるかという観点よりも、自分が今どれだけのものを受け取りながら生かされているのかを突き付けられた気がしています。
たくさんの人が働く社会の中で、そして、家族と一緒に日々暮らしている地域の中で、僕たちは生かされている。対価を支払って受け取るサービスだけでなく、見返りを求めず、気づかれるかどうかも気にかけず、何かをしてくれている人がいるから、危険に怯えることなく生きることができる。
たとえそれが今の当たり前になっているとしても、忘れてはいけないと思います。
『世界は贈与でできている』の中で紹介されていて、一番心に残っているのが、「アンサング・ヒーロー」。「歌われざる英雄(unsung hero)」という表現で、その功績が顕彰されない影の功労者のことを指します。褒め称えられることなんて、1ミリすら気にかけていない、ヒーロー。
読んだ当時の熱がこもった記事も、よかったら読んでみてください。
アンサング・ヒーローは、想像力を持つ人にしか見えないとも書かれていました。年の瀬のこのタイミングで振り返るのに、ちょうどいいですね。
僕にとってとても変化が激しかった2022年も、あと数時間で終わります。
何が起きるかまだ分からない2023年も、アンサング・ヒーローに想いを馳せ、感謝を忘れずに過ごしていきたいと思います。
新しい年も、どうぞよろしくお願いします。
よいお年をお迎えください。
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