ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
ときどき参加させてもらっている読書会の、次の課題図書。
ちょうど気になってる本だったので、なんだかラッキー!
舞台は、イギリス南部の都市にある元底辺中学校。日本人の母とアイルランド人の父を持つ少年の、中学校生活が描かれています。この「日本人の母」が、著者であるブレイディみかこさんです。
人種、宗教、信条、貧富の差、世代、・・・。いろんな違い、多様性に、少年が純粋な心で付き合っていく。多様性はいいことだと学校で学ぶのに、多様性のせいで物事がややこしくなり、ケンカや衝突が絶えない。
エピソードはイギリスだけど、大小の違いはあるにせよ、僕たちの身近でも似たようなことがあるのを考えさせられます。
同じ「日本人」だと見たら、民族の違いはありません。でも、生まれ故郷の違いや、経験の違い、立場の違いがある。職場でも、地域でも、学校でも、何となく心地よさや居心地の悪さを感じることがあり、何となく折り合いをつけながら生きている。その「何となく」がうまくいけばいいけど、なじめなくて苦しさを感じることもある。
その時に、自分と違う感覚があることを知って、自分以外を排除しないようにと考えられる自分を持っておきたい。
そんなことを考えながら読みました。
本の中で、
自分で誰かの靴を履いてみる
という表現も紹介されています。
それによって、相手の感情や経験を理解する能力を養う。そのおもしろさを感じる少年に、教わることはたくさんあります。
少年、母親、父親、友人、先生。いろんな人が存在するから、自分の関心ごとに近い人がきっといる。読むときの状況で、焦点の当たり方が変わりそうな本です。
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読書のきろく 2020年30冊目
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
#ブレイディみかこ
#新潮社
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