【詩】In the garden
色とりどりの花が咲き乱れる庭にいて、
心地のよい風を肌に感じている。
仰げば、青い空にいくつもの雲が流れてゆく。
花々が揺れて、
そこにあることを体いっぱい喜び、
笑みが辺りにこぼれてさざ波のように世界を満たしてゆく。
花たちが笑うので、
私も笑った。
花たちが笑う時、私も笑う。
共振する軽やかなエネルギー。
大切なことを思い出した。
ほんとうは軽やかな私たち。
光と共にあった頃の優しい記憶。
私たちの本質が苦しみではなく、
その瞬間を生きる喜びであることに気がつく。
笑いと活力に満ち溢れ、
光や風と戯れ、喜びを創り出している。
耳には熊蜂の羽音が陽気に響く。
もこもことした体で花の中に潜り込んでは、
また羽音を立てる。
花々の色彩は
パレットから零れ落ちた色とりどりの絵の具となって、
私の心の中に不思議な模様を描く。
ここにはたくさんの色彩が溢れ、
私の中にも色彩が花開いていく。
ふと気がつくと、
目の前には白いローブを着たひとが佇んでいる。
柔らかく伸びた長い髪を束ねた中性的なそのひとは、
この庭を守っているのだ。
庭がいのちを輝かすことができるように、
植物たちを育んできた。
柔和な瞳の奥にどのような歴史を秘めてきたのだろうか。
瞳の色はほんの少し緑がかったアンバーで、
森の奥の神秘的な湖を連想させる。
波一つ立たない静寂の湖は、
その奥の感情を読み取ることを拒絶しているようだ。
そのひとの手は育む力を持った緑の手だ。
緑の手をもつ者は、植物の精霊と分かちがたく繋がりあっている。
そのひとが植物にいのちを与え、
植物は恩恵をそのひとに注ぐ。
美しい循環。
心を開いてその傍らにいると、
循環する豊かさが流れ込んできて、
体の中に気が満ちる。
中心にあるスペースに火が灯る。
私たちの心の真ん中にあるスペースは虚無ではなく、
愛で満たされるための神聖な場所だ。
神聖な場所に火が灯る。
この情熱をどうやって言葉にしようか。
ゆるぎない心。
まっすぐな心。
私は今、自分の中心にいる。
誰にも侵されることのない心の領域を大切にしよう。
すべての魂は祝福されてある。
そのことを告げ報せよう。