【詩】窓を磨くように
ここにある陽の光
ここにある空の青さ
ここにある冬の寒さ
ありがとうという気持ちを込めて
一つひとつを抱きしめる
窓の外を歩く人の行き交い
手元を温める一杯のカフェラテ
わたしの想いを書きとめる紙と鉛筆
それから
ここにあるわたしのいのち
一つひとつに感謝を込めて見つめなおしてみる
見つめなおすたびに
それらはきらりと輝いたようだった
まるでこちらの想いに応えるように
ありがとう、を言うたびに
それら一つひとつの現象は
たしかに、ちかっと輝いた
ビルディングの窓を一つひとつ磨いていくように
世界の片隅で一つずつ存在が輝いてゆく
とても微かだけれどたしかに起こっている
だから、わたしの心も静かに震えているんだ
心を込めた分だけ
世界は少しずつ輝きを増してゆく