怒ってもいいんです!大事なことは、ちゃんと向き合うこと!
今年も残りわずかになりました。
まわりが慌ただしくなると、どうしても怒ってしまうシーンが増えていませんか。お子さんが悪戯したり、部下が失敗したりすると、どうしても怒りたくなってしまいます。
|怒るのは相手を大切にしている証拠
ここまで「自信のつけ方シリーズ」を読んでこられた皆さんは、怒ることはいけないと思っているかもしれません。でも、怒ってしまうことは仕方ないのことなのです。それは自分の大切なものを守りたいからなんです。
だから、怒ってはいけないと自分を責めないでください。自分を責めることで、さらに自分をイライラさせてしまいます。すると、必要以上にお子さんや部下を怒ってしまいます。
つい怒ってしまうのは、繰り返しになりますが大切にしているものを守りたいからなんです。相手にこうなって欲しい、そこから逃げて欲しくないという想いが湧いてくるからなんです。
松岡修三さんの熱血教室をご存知でしょうか?
生徒たちが、松岡修三さんのもとを訪れテニスの合宿を行いテニスの腕を磨きます。テニスが上手になるばかりではなく、精神的にもたくましくなって帰っていきます。
松岡修三さんの素晴らしいところは、怒ってもちゃんと生徒たちに最後まで向き合っていることです。
その姿は、感動的です。
|相手を大切に思うほど放っておけない
練習中に生徒が自分には才能がないと諦めてしまったとき、
プレーを止めて
松岡「なにしにここに来たのか、わかるか?」
(怒りながら生徒のゴールの確認)
生徒「テニスが上手になりたくて来ました」
松岡「このまま帰ってもいいのか?」
(怒りながらもゴールの再確認)
生徒「・・・・・・」泣きながら首をヨコに振っている。
松岡「君のテニスのやりたい気持ちは、そんなものだったのか?」
(生徒の気持ちの確認)
生徒「・・・・・・」泣きながら首を振っている。
松岡「君は、そんな人間じゃないだろう?」
(自分の期待をぶつけて励ましている)
生徒「・・・・・・」泣きながら首をタテに振って頷いている。
松岡「あきらめんなよ!俺は君の何倍も悔しい!」
(自分の悔しさを伝えている)
生徒「・・・・・・」泣きながら首をタテに振って頷いている。
そして、生徒は、コートに戻ります。感動的なシーンです。
松岡修三さんは、何をやっているのでしょう。
|誰も、いつもで冷静でいられるわけではない
松岡さんは、決して冷静な態度でいるわけではありません。それは怒りにも似た感情で、大切な生徒がテニスを諦めることから救ってあげたい。諦めることが許せないのです。だから、生徒の目指すゴール、自分の期待、自分の悔しさを真正面から向き合って伝えているのです。
よく怒ってはいけないと言われます。怒るとことは自分の感情をはらすためだから相手のためになっていない。だから、相手のことを思って叱りなさいと言われます。それはそれで重要なことです。
でも、誰もがいつもで聖人君子のように冷静でいられるわけではありません。お子さんが悪戯したり、部下が失敗すれば、悲しかったり、悔しかったり、残念だったりします。いろいろなネガティブな感情が湧いてきますよね。これって当たり前のことなんです。
|相手が傷つくのは怒り放しだから
だから、思わず「なにやってんの!」とか「ちゃんと言ってあったでしょ!」と怒鳴ってしまいます。
こんなことを言ったら、相手が傷つくと心配されるかもしれません。でも、相手が傷つくのは、怒った後のあなたの向き合い方次第です。
怒ったまま、放っておかれれば、パパママは自分のことが嫌いになったと思うしかありません。だから、お子さんは悲しくなってしまいます。パパママに嫌われるから悪戯しないということになってしまいます。
例えば、「怒っちゃったけど、おもちゃを片付ける〇〇ちゃんが大好き!」だと言って抱きしめてあげれば、おもちゃをちゃんと片付ける〇〇ちゃんになっていきます。
部下も同じです。「怒ったけど、君にはできると思ったから言っているんだ」と怒った理由をちゃんと説明してあげればいいです。部下は納得します。
怒り放しだから、何を考えているのかわからないとお子さんも部下も不安になるのです。
感情的になって言っても、「ごめん!言い過ぎたわね。でもね。パパママはね。〇〇ちゃんに、ちゃんと片付けて欲しい!」のと伝えれば、必ずお子さんに必ず伝わります。
誰でも最初は怒っていた
昔、私を思い切り叱ったくれた亡き父も亡き恩師も上司も最初は怒ったに違いありません。でも、怒ったあと、一緒に謝ってくれたり、なぜいけないのか説明してくれたり、あなたはそういう人間じゃないと想いを伝えてくれていました。だから私は、人の道を外さずにここまで自信を持って生きてこれました。
だから、怒ってもいいんです。その後、ちゃんと向き合えば、子供も部下も分かってくれます。その向き合い方が強いつながりをつくり、守られているという安心感が生まれ、自分にはできるという自信につながります。
参考文献 吉田裕児著「部下が変わる本当の叱り方」明日香出版社