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部下に質問しても、なぜ、漠然とした答えしか返ってこないのか?

あるリーダーからいただいた相談です。
「親身に質問しても、ばくぜんとした答えしか返ってきません。
どうしたらこちらの意図した答えが返ってくるでしょうか」

読者のみなさんは、どのようにアドバイスしてあげるでしょうか。
一緒に考えていきましょう。


◆無意識に相手を責めていませんか?


実は所長時代の私も同じような悩みを持っていました(苦笑)
(相談者の場合とケースが違っていたらごめんなさい。)

「私の質問に答えていない!」と部下に言っていました。
今考えてみると恐ろしいことを言っていたなと反省しています。

当時の私は伝えたことは、すべて部下に伝わっていると思っていたのです。
だから、質問して、こちらの意図した答えがないと
「私の質問に答えていない!」と言っていました。

すると、部下は「すみません」と言ったきり何も話さなくなってしまいました。

口に出さないまでも
「なんで私の言っていることがわからないんだ!」
という裏メッセージを送っていたのでしょう。
無意識に部下を責めていたんですね(涙)。

これでは部下は萎縮するばかりで
何を言っても責められると思い何も話せなくなってしまいます。
当時の私はそんな部下の気持ちも知らずに
「私の質問に答えていない!」を繰り返していたわけです。

◆伝わっているという勘違い


そんなことを繰り返していた私は以前にお伝えしたように
部下の指導法を間違え人生初の挫折を経験します。

その挫折からわかったことは
『伝えたことは必ずしも相手に伝わっていない』ということです。

私の経験からすると、50%伝われば良いかなと考えます。
もしかすると0%のときもあるかもしれません。

例えば、相手がこちらに関心がなく聞く意思がなければ
こちらの伝えたことは、伝わっていないと考えた方がいいでしょう。
もし、それが部下だとしたらどうでしょうか。

そんな部下に『私の伝えたこと、わかった?』
と質問しても曖昧な答えしか返ってこないはずです。

◆伝わっていないことを前提にする


そこでして欲しいことは、
伝わっていないことを前提に部下に話す心構えを持つことです。

なぜ、それが大切かというと
部下から曖昧な答えが返ってきてもイライラしなくて済むからです。

伝わっていないのは、
自分の伝え方や質問の仕方が良くなかったかもしれない。
部下に何か不安や焦りがあるかもしれない。
と捉えられれば次にすることを考えられます。

これを知らずに伝わっているつもりで会話を続けると
昔の私のように部下を責め続けるようになってしまいます。

◆答えをそのまま受け止める


そうならないために、曖昧な答えだとしても
その言葉をそのまま受け止めて伝え返しをしてください。
「そうか、〇〇なんだね」と。

相手の理解の程度が低かったとしても
それを受け止めて、次の会話で

「だとすると、こうだね」
「具体的には、どういうことかな?」
「もっと詳しく教えてくれないかな?」
「他には、どんなことがあるかな?」

というように話の内容を掘り下げたり横展開をしたりしていきましょう。
対話を繰り返していくうちに具体的な答えが返ってくるはずです。

もし、部下の理解がまだ不足しているようならば
その段階で「私の伝えたかったことは、こういうことだけど、どうかな?」
と伝えてあげれば部下も関心を持って聞いてくれるでしょう。

最近は、私を含めて表現力、語彙力や言語化力が下がってきているのが現状です。
そんな状態で、一回の会話で相手に伝えたいことが伝わることが難しいと考えます。

私の持論ですが伝わる確率が50%だとすると5回のキャッチボールが必要だと。
1回目50%⇒2回目25%⇒3回目12.5%⇒4回目6.25%⇒5回目3.125%

「そう考えているんだね」という共感
「○○だったんだね」という伝え返し
「具体的には?詳しく教えて?」という深堀
「他にはどんなことがある?」という横展開

というように対話を重ねることで
伝えたいことと伝わっていることのピントが合ってきます

さらに相手に関心を持ち理解しようとする意識をプラスすれば
ますますピントが合ってくるでしょう。

◆今回の質問

【質問したとき、部下はどんなことを考えているでしょうか?】

次回に続けます!お楽しみ!

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吉田裕児@人と組織を咲かせる人財育成コーチ
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