越冬じゃがの甘さと食べ方のポイント〜越冬じゃがいも出荷しました!
さいこうファームの越冬じゃがいもを出荷しました!
久しぶりの農業になんだかちょっとうれしくなりながら作業です。まずは、さいこうファームのじゃがいもの一部が保存されている室(むろ)に向かいます。雪に閉ざされた室の入り口を軽く除雪して、地下へ。
地下の室は外よりは暖かく、室内よりは涼しい一定の温度に保たれています。そのまま地下でしゃがんでじゃがいもを袋詰め。ひとつひとつ、傷んでないかチェック。
室で詰めたのはきたかむいとキタアカリの2品種。インカのめざめはこの室では少し温度が高く芽が出てしまったので、知り合いの農家さんの冷蔵庫で保存してもらったものを袋詰め。
こうして、準備した越冬じゃがいもを注文してもらったみなさんのもとに発送されていきました。
野菜を送ったのは久しぶりで、なんだかハラハラドキドキな感じです。いい状態で届いてくれるかな?喜んでもらえるといいなぁ。
ちなみに、越冬じゃがいもは新じゃがよりも糖度が高いと言われます。実際に、北海道農業研究センターのレポートを見つけたのでちょっと紹介しますね。
生食用ジャガイモ品種の低温貯蔵による糖含量の増加特性(2015)北海道農業研究センター
じゃがいもが越冬して甘くなる現象は「低温糖化」という名前がついています。低温貯蔵中にデンプンの一部が分解されて、ブドウ糖や果糖やショ糖が増えることがじゃがいもが甘くなる理由です。
実験では、インカのめざめ、インカのひとみ、ノーザンルビー、シャドークイーン、キタアカリ、スタールビーの品種を使って低温糖化を調べています。今回さいこうファームで出荷するインカのめざめとキタアカリは、収穫直後の全糖量はいずれも3mg/g程度、90日の低温貯蔵ではそれぞれ約23mg/gと約17mg/g(リンクの論文の図1を見てください!)。だいぶ甘くなってますね。
今回さいこうファームで出荷するじゃがいもの熟成期間は120日程度。なので90日時点よりも甘くなっていることが期待できます。ちなみにインカのめざめは、このあとも低温を貯蔵を続ければ続けるほど全糖量は増えて270日で約50mg/gほどになるそうです。いずれはこのくらいの長期熟成も試してみたいなぁ。
そして、この論文にはもう1つ重要なデータが示されています。それは、せっかく低温糖化させたじゃがいもも室温においておくと急速に糖度が下がってしまうのです。1週間ほど室温においてしまうとなんと半分近くの糖がおそらくじゃがいもの呼吸により失われてしまうようです(リンクの論文の図4を見てください!)。
越冬じゃがいもを購入いただいた方は、すぐに冷蔵庫に入れて保管してくださいね!
さいこうファームの越冬じゃがいもはもう少し在庫があります。ちょっと気になるな、という方は是非下記リンクから購入ご検討くださいませ!