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ほうき星を探して

そろそろ子どもたちのお迎えの時間。
なんだかソワソワしている幸枝さん。

「あのさぁ、今日彗星見に行っていい?見えそうなんだよね」
「へー、そうなんだ。行ってきたら。何時くらい?」
「6時くらい、南西の空に見えるみたい」
「じゃあ、お迎え行ったら合流するよ」

手早く夕飯の準備を進める幸枝さんを残して、ぼくはつむぎと櫂のお迎えに。

2人を車に乗せて、手付けのお菓子を食べさせる。
「今日ママが星を見に行くみたいだけど、つむも行く?」
「行きたい行きたい!」
「かいもいく!!」

ということで満場一致で幸枝さんのもとに向かうことになった。
幸枝さんはどうやら、美幌町のお洒落カフェ「古物と喫茶 くうき」さんのところにいるらしい。
ママ友がやっているカフェで西側に大きく開けた高台に位置している。
今回の彗星観察にはもってこいで、車を置かせてもらえるように頼んでみたとのこと。

つむぎと櫂を乗せたぼくらの車もくうきさんに到着。

なだらかな下り坂のところに、カメラの三脚を立てた幸枝さんが。
つむぎが駆け寄っていく。
ぼくは櫂を抱っこして向かう。

「見えた?」
「見えてるよ!ほら」

カメラのモニターにはきれいに尾を引く彗星が。

「ちょっと難しいけど双眼鏡でも見えるよ」

見たい、見たい!と飛びつくつむぎ。
ぼくも見たいが順番待ち。

つむぎには探すのが難しかったみたいだ、ぼくの番。

幸枝さんに櫂を預け、双眼鏡を受けとる。

「金星とアークトゥルスと二等辺三角形をつくるような場所にあるよ」

双眼鏡を覗き込む。
しばらくして。

尾を引く星が見えた。

「おー、見えた!」

「えー、ぼくも見たい!」
つむぎがまた幸枝さんに手取り足取り教えてもらって挑戦している。

ほうき星を見ることができたぼくは櫂を抱っこして車に戻ることにした。
人生で初めて生でほうき星を見ることができたことに、とても満足だ。

もちろん頭の中にはBUMP OF CHICKENの天体観測が鳴り響いていた。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。東京から北海道オホーツクの美幌町に新規就農した4人と1匹家族の農業、子育て、おすすめスポットなどをほぼ毎日更新しています。もしよろしければ「スキ」「フォロー」をお願いします!
(登場人物)
ぼく:東京大学で農学博士取得後、ベンチャーで8年勤務。その後、北海道で新規就農。
幸枝さん:ぼくの妻。北海道大学で生命科学修士、ぼくと同じベンチャーで同期入社。2015年に結婚。
つむぎ:5歳の長男。北海道で元気いっぱいに成長中。電車、働く車、飛行機など乗り物大好き。
スピカ:4歳の猫。女の子。網走の病院で保護されていたところからぼくの家にやってくる。
櫂:1歳の次男。長男が騒ぎ回る横で、どっしりと寝ている大物感を漂わせる。

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