ビニールハウスのビニールの幅が知りたくて、自分の考え方に反省した話
雪はほぼ溶けた。そろそろハウスのビニールをはりたい、いやはらねばならない。少し焦りを感じてきた。
まずはビニールを買わねばとパソコンに向かい検索をはじめる。
「ふむふむ、農ビと農POねぇ。ほうほう、サイズはこっちで指定するのか。50mハウスだから少し余裕を持って買ったらいいかなぁ。じゃあ、54mとして。で、幅は・・・」
「幅・・・。どのくらいだ?」
3間半ハウス用とか、4間ハウス用とかいった感じで売られているのかと思ったらそんなことはないようだ。さいこうファームのハウスはすべて3間半(間口が約6.36mのこと)、そのハウスの屋根に合うビニール幅をさらに検索してみる。
「3間半 ハウス ビニール」 ヒットしない。
「3間半 ビニールハウス 屋根 幅」 ヒットしない。
「ビニールハウス 屋根ビニール サイズ」 ヒットしない。
全知全能の神への問い合わせ窓口と思っていたグーグル先生が全く答えてくれない。こんな簡単にわかりそうなことが出ないなんて・・・。
らちがあかないので、「ええいままよ」とぼくは車に飛び乗った。向かう先は坂の下の農協資材センター。資材センターが近くにあるのがさいこうファームの立地の嬉しいことの1つだ。
「あの、ビニールハウスの屋根ビニール買おうと思うんですけど、サイズが分からなくて・・・」
「はいはい、ハウスのサイズは」
「3間半です」
「ちょっとまってね」
窓口のおばさんが、ゴソゴソとファイルを漁ってくれている。
しばらくして、
「はい、これだね」
そこには、3間半ハウスの図面と必要なパーツのリストがついた神(紙)があった。おぉ、農業の神と交信できるのはここだったのか。さっそくコピーしてもらい、ホクホク顔で家に帰る。未だにオンラインに上がっていないテキストって、実はたくさんあるんだなぁ。
家のリビングでプリントを見直す。屋根ビニールの幅は840cmらしい。
「840cmかぁ・・・、なんだかちょっと大きすぎる気がするな。そんなにいるかしら?」
紙の御神託を疑いはじめるぼく。最近ピッコマで『チ。地球の運動について』を読んでいるせいかもしれない。
今回の知りたいことについて、もう一度考えはじめる。ビニールハウスの屋根ビニールの幅。どうやったら正しいものがわかるのだろう・・・。そこで、神のひらめきを得る。
「てか、家のハウスのサイズ測ればいいじゃん」
実は昨年からビニールの張りっぱなしのハウスが1棟あるのだ。そのビニールは使い回しのものを使っているのでサイズは知らなかった。あぁ、なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだろう。
ビニールハウスの脇までいき、砂袋をつけたひもを反対側に投げ飛ばす。ピンとはったところで両側面のビニールを留める部分に印をつける。そして、そのひもの長さを測る。
測定値は744cm。やっぱり840cmは大きすぎたようだ。測ってみてよかったぁ。こうして、ぼくは必要なビニールをようやく発注できるようになったのだった。
目の前に実物があるのに、ググってヒットしないとわからないものと思ってしまうなんて、ちょっと考え方を見直さないとなと思うのだった。
それはそれとして、ちょうどいいので、ここに記そう。
「3間半のビニールハウスの屋根ビニール幅は744cm」