茶はどこから飲む
ただならぬ雰囲気で、皆さん正座。
お着物の方もちらほら。
畳に座り、お点前も周りも気になるも入ってはこない。
そんな茶席で出されるお茶。
さて、どうやって飲んでよいものか。
茶席へ入ることに躊躇う方のお悩みがこれ。
官休庵家元後嗣の宗屋若宗匠が、この問いにお答えになっています。
口から飲んでください、と。
どこかで、お茶席に入るチャンスに出会ったとしても、畳の部屋でのお茶というとなかなか敷居の高いものです。
理由として
・お茶の飲み方がわからない。
・正座がしんどい。
といった感じで、襖の向こうの別世界の空気は読みづらいものです。
前者は「口から」で解決したものとして、後者はご年配の方に椅子席もあったりしますので、そう気にすることではありません。
拷問のように正座を強制するものでもなく、あぐらでも良いと思います。
ただし、ここで一言。
なんでも良いのか?というと確かにそうなんですが、やはり大勢さんの中での所作です。
初心者なんで作法がわからないんです、膝が悪いんでといった一言をかけることは必要かと。
そのワンクッションがあれば、どちらも穏和に優しい気持ちになれるのに。
その一言があるとお互い、気持ちも楽になります。
気軽に入りやすいのは公的機関のもの(宇治では平等院のそばに対鳳庵という市営の茶室でお茶をいただけます)があります。
次に入りやすいのは、月釜。
こちらは年会員の方がおられたりで、お着物の方も多く、どうしていいやら。
簡単な流れとして
・受付で申し込み、会費を支払う(概ね700円から1,000円くらい)
・通された寄付待合で、会記を見て、席入りを待つ
・席入
・出されたお菓子、お茶をいただく
・最後にお道具を拝見
寄付待合での会記とは
その日のお道具合わせとは、亭主が趣向を凝らし、季節やお招きするお客様を想い取り合わせたものです。
その取り合わせを席入り前後に確認できるもの、それが会記です。
お道具が何かはもちろん、その作者。そして道具にまつわる「銘」や家元の書付や在判など。もちろん席中で亭主と正客との会話のやり取りを通して聞くことができますが、聞き逃したり、名前の漢字の確認などにも使えます。最近はスマホで一枚押さえておけば楽なものですが、基本茶席でのスマホは良いものではなく、気軽に撮影してしまうと頭にも入らず、記憶にも残りにくいものです。ご面倒でも書くということも大切だと思います。
ざっと、こんな流れです。
もしも少しでもご興味があれば、その一歩を踏み出すことをお勧めします。
その理由はなんでもかまいません。
単にお茶、お菓子が好きだからという人もいます。
伝統文化に興味がある。
やきもの、大工、庭の専門家。
着物を着たい。
お茶をいただきながら、お話を楽しみたいなど。
本当にさまざまな理由をきっかけに興味を持たれる世界です。
そして、その一歩を踏み出した方がその奥の深さを感じ、多くのことを学べる世界です。
お茶の美味しさ、溢れる季節感、お道具や着物の華やかさなど現代の日本が忘れつつある要素がたくさんある、それがお茶。
先日、私の生徒さんが習っておられるお茶の先生が月釜で釜を掛けられ、そこでご自身が点前をされるとお声掛け頂いたので、行ってきました。
亭主をされていた先生が学校茶道にも携わっておられる方で、高校生と中学生が制服で、参加していました。
とても良いことで、うれしく思いました。
月釜ですので、当日申し込みが可能なお席です。
本来の茶の湯は亭主からのお誘いのお手紙、それに対するお返事とご挨拶があってのものです。
月釜 - ほぼ毎月同じ日か、定期曜日に釜を掛ける(お寺さんでされることが多い)
お茶の美味しさ、ご一緒した方との一座建立そして一期一会。
楽しみはまだまだあります...
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