GR人材育成ゼミ第13回(8月3日)「地域における教育」ゲスト講師:荒井優氏
みなさんこんにちは。GRゼミ8期生のジョニーです。
今週はユーティーさんの友人で、札幌新陽高等学校の校長に就任し学校改革に取り組んでいた荒井優さんをゲストにお呼びして、「地域における教育」をテーマに教育格差などに触れていきました。
小学4年の時に成績がいい子はその後も成績が伸びやすく、下位の子は停滞しやすい-。
荒井さんがこんな情報をまず話して下さいました。「中3時点で全体の30%が小学校4年生の学力を満たしていない」
‘‘調査では全体の約3割が中3時点で小4の学力平均を満たしておらず、成績の下位は、経済的に苦しい家庭の子どもが多かった。
川口准教授は「データは家庭の経済格差が学力に影響していることを示している」として、学力に差がつく前の段階での支援の必要性を指摘している‘‘
さらに、日本の教育は偏差値によって三階層に分かれている。この偏差値によって分断される考え方の危険なところは、基本的に上のことしか興味がなくなってしまう。自分より下のことはどうでもよくなる、全て一緒になってしまうことだと。
55以上 親の教育によって豊かな学力を持っている。
45~55 学校のおかげ、先生のおかげで勉強できている。
45以下 学びへ劣等感を感じている。学校が劣等感を作っている。(下位3割なため小4の学力であることが多い)
大学の進学が60%であり、下位3割は大学へ進学しないことが多い。つまり、小4の学力のまま社会に出ている人がいる。日本は思っている以上に学力による格差が起きている。
▼ピクミンさんのコメント
いつも学力差の話しになると実感がなくなります。特にうちは学力を測られなかったので比べたことが小中高ともにありません。そしてこれがオルタナティブ教育の弊害の一つだと思うこともあります。ある意味でかなり世間知らずだと感じます。
▼ユーティーさんのコメント
大学の進学率が約6割(俺らの時は5割)っていう現状。
▼とささんのコメント
鶏か卵かみたいな話ですが、勉強が苦手だから親や本人が学校に否定的になるのか、逆に否定的だから苦手になるんでしょうか?
▼おくちゃんのコメント
学級崩壊とか小3、4から起きてくるイメージです
▼げっちゃんのコメント
中学受験はじめるのも小4だからどんどん差が広がりますよね。
小学校は基本的に4年生から勉強のレベルがあがっていく。小3くらいまではでは教科書をあまり使わずにリアルに感じれる物や、社会性を学んでいたが、小3以降くらいから学ぶことが概念のようなものに変化していき、ついていけなくなってくる。
▼イザベラさんのコメント
急に見えるもので、指で数えたりしてればなんとかできてたのが、抽象的な考えを要求されたような
ついていけなくなるのは読解力も同じで、日本の3割の人達は我々が普通に読んでいるプリントや冊子を理解することが出来ていない。読解力も小4で止まっている。これが今の日本教育の現状である。
▼荒井さん
「こんな問題を解決してく為には、我々のような教育に関心のある人たちが解決に臨むべきです」
▼ユーティーさんのコメント
理解力に差が出てるのに、授業は35〜40人に同時に同じ内容をするからね。
日本の学校は30年間で何も変わっていない。
日本はバブルが崩壊する直前の「JAPAN AS NUMBER 1」を維持するために突き詰めた教育をした結果、高い偏差値の人はアダプトしたが、そこから外れてしまった子供たちは学校に行きづらくなってしまった。偏差値で決められる教育が30年間変化しなかったことでで今の教育格差につながっている。
高校ってなんだ
日本の高校は国際標準で見たときに、「upper secondary school」後期中等教育を行う学校とされているが、戦後の学制改革により、新制高校は旧制中学2年分と旧制高校3年の一年分を組み合わせたものとなり、中等教育と高等教育に内容が合体したために、「高校とは何か」という姿が描けないまま現在に至っている。
つまり高校がどんなものであるべきかというイメージがなされないまま日本教育がなされている。微分積分や古典が教育課程に組み込まれているが、国民の90%が受ける教育内容としては無理がある。大学に行くためのツールとして高校があるのが現状である。
しかし本来大学は就活のために行くものではなく、ノーベル賞を取るような研究や、国の発展に活かされる研究をする為の学問を修める場所である。
このギャップを放置してしまっている。
高校進学はするが、大学進学しない生徒が多かった。
高校で荒れないために体育会的なマネージメントとして、部活動で力を開放する場所を作った。
▼イザベラさんのコメント
現在の高卒の就職先って、大卒とは求められる仕事がだいぶ異なりキャリアパス描けない感じなんでしょうか。
▼とささんのコメント
親の教育というのはおそらく有史以来同居の祖父母世代や兄弟夫婦、近所が担っていた(だから公的な教育がなかった)けれども、戦後の核家族化で初めて親の教育者が不在になったということかなと思いました
▼げっちゃんのコメント
大人が勝手に決めたり、生徒に馬なりに決めさせるんじゃなくて、学校が必要な先の情報を生徒に伝えて考えさせることがお話伺っていると違うなと聞いています。
▼ユーティーさんからの質問
新陽高校を復活させる際に、新陽高校の生徒にはどんな出口があると教えたのか
▼荒井さんからの返答
大学進学率が三割から、六割に上昇した。
進路指導のプロをリクルーティングして、進路指導に力を入れた。
夜間の大学への進学を進める、短大からの編入等
行きたくても金銭面的な事情から大学に行けない生徒へ、お金を何とかする方法を説明して具体的な方法を指導した。
▼ユーティーさんからの質問
新陽高校や学校がどうやって評価されて欲しいか?
▼荒井さんからの返答
社会の中で受け入れられるようになってほしい。
社会人4年目で新陽高校で学んだことが活かされて、評価されるようになってほしい。
▼ユーティーさんからの質問
新陽高校での就職指導に対して
▼荒井さんの回答
インターン先を自分で開拓して、自分で就職活動を作っていくように指導していった。高校という場所が教科書の知識よりも、実際に働いて生きる教育が必要とされていると感じる。
▼ユーティーさんからの質問
教育格差に対しての考え
▼荒井さんの回答
親の教育観が子供の教育状況につながる。それが教育格差に繋がっている。
▼おくちゃんからの質問
小学校で学ぶことが高等過ぎるのか否か、本当の問題はどこなのか。
▼荒井さんの回答
親からの教育観が固定化されてしまったことにある。教育の格差の構造が昔から固定化してしまった。解決策は誰でも見れるYouTubeにある。
YouTubeでだれでも平等に学習できるコンテンツが教育格差是正のカギになる。
▼げっちゃんからの質問
ブランドをどう定着させたのか?
▼荒井さんの回答
一年間で新陽高校のブランドを定着させた。首長が行政を変えるよりも早く帰ることが出来る。子供は真剣な大人を見るとすぐ変わる。
▼ユーティーさんからの質問
本気さをどう見せるか?
▼荒井さんの回答
日ごろの生徒の行動への感謝を伝えて、自分たちの行動に感謝してくれる人がいることを実感させた。
まとめ
日本の教育格差は家庭状況が原因となっていると感じました。日本の教育がここ30年何も変わっていないのも、変わらない教育を親から子供へ繋げてしまっていることから来ているのかもしれません。
生まれた家がどこであれ、その人の人生が豊かになるよう自由に学び、それぞれが全力で挑戦できる環境に日本がなっていければいいなと感じています。
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