「高尿酸血症(痛風)」救急病棟体験記! カナダの医療に感謝 自己負担約700円のみ
ほぼ2週間、note 未更新の状態が続いてしまいました。実は12月7日ごろから始まっていた右足付け根付近の痛みが段々ひどくなってきて、ついに10日には「これはヤバい」と思い、トロント市ノースヨークにある総合病院(上の写真)のエマージェンシー(救急病棟)に駆け込みました。
面白いといっては何ですが、激痛の場所が日によって移動するようなのです。最初は足の甲の部分の中央右に小さい関節がある辺りが痛くて足を引きずって歩いていたのですが、翌日はそれがくるぶしの右側、その次の日はアキレス腱、そして最終的には足首の付け根全体が赤くなって腫れあがってしまいました。その部分が熱くなって氷嚢のようなもので冷やしてもすぐ温まってしまいます。
平らな所を歩くのも痛くて難儀しますが、階段の上り下りが最も応えました。今はコロナ禍第2波に見舞われているトロントなので、病院に行きたいという人も少ないようで、いつもよりはずっと早く受付を済ませ、救急病棟の中の病室のベッドに横たわることができました。そう長く待たずに男性医師が私の右足の様子を診に来て、血液検査、超音波検査(ポータブル)をやった後、「足首の関節から水を少し抜いて検査する」と言ったのでギクッとしました。「膝関節から水を抜く」というのはよく聞いたことがありましたが、それと似たようなことが我が身に降りかかるとは予想していませんでした。何だかいかにも痛そうな予感がしたのです。
けっこう長い注射針を関節の所に刺す前に、液状の麻酔薬のようなものを塗ってくれましたが、それでもやはりいや~な鈍い痛みはありました。ちょっと薄茶色がかった「水」をドクターが見せてくれましたが、あまりいい気持ちはしませんでした。
そのあとさらに右足首のレントゲンを撮るということになり、同じ階にある放射線科のレントゲン室に連れていかれました。撮影前にX線技師の女性が私の足首の角度を変えようとするたびに激痛が走り、私は悲鳴をあげました。
すべての検査が終わった後、ドクターがやってきて「私の見るところほとんど痛風(高尿酸血症)だが、感染症を併発している可能性があるので、明朝9時、専門医に診てもらうように手配しておいた」と言いました。
翌朝、同じ総合病院の外科医局を訪れ、専門医に診てもらいましたが、彼は前日の各種の検査結果を見て「ほぼ確実に高尿酸血症で感染症の可能性はないと思う。もし感染症併発だったら今日、ただちに手術するところだった」と言ったので再び愕然。「足首関節部分の手術?」こっちはそんな準備は一切せずに病院に来ていたのでした。このドクターは5日分の強力な抗炎症薬と胃を守るための薬を処方してくれました。
この抗炎症薬はすごい効き目があり、1錠のんだだけでだいぶ痛みが引いた感じがしました。2日後にはほとんどと言っていいほど痛みがなくなり、ほぼ普通に近い状態で歩けるようになったので驚きました。12月14日には最終チェックのため、もう一度、専門医の所に行き診てもらいましたが、「この回復状態ならもう大丈夫。後のケアはファミリードクターにしてもらいなさい」と言われました。
この生まれて初めての「高尿酸血症」ドラマ、ほぼ5日間、病院を3回訪れ、いろいろな検査を受けて救急医と専門医に診てもらいましたが、ここがカナダの(というかオンタリオ州の)医療制度の優れたところで、私はお金を1セントも払っていません。私はカナダの医療制度とか健康保険制度を詳しくお話しできる立場にもありませんし、資格もありません。ただ、はっきり言えることは、今回のケースでは私の支払い分は2種類の薬代、計8ドル22セント(約700円ぐらいですかね)を病院とは別の薬局に払ったのみです。もっともこれは私がシニアなのでこの料金設定になっています。