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あの後ろ姿は忘れることがないだろう。 図書館から帰ってきた僕は、何度もあの後ろ姿を思い浮…
私は大学生活にわくわくしていた。 多くの新入生がそう思うように。 ただ、私は少しだけ違っ…
2年前の春。僕は彼女と出逢った。 大学生になったから何かしたいなと、漠然とは考えていたけ…
家に着いた時には、やはり夜になっていた。 それからは普段通り、絵の練習とミステリー三昧。…
月野から薦められた本を長時間読んだ僕は、一時限目が始まる頃に目が覚めた。 完全に寝坊して…
あ、あの背中は... 20メートル後ろからでも、彼の背中は分かる。 身長は平均的だから、…
「あの、榊君はこのミステリーは好きですか?」 唐突に後ろから声をかけられた。始めはその問いかけが自分に向けられたものなのか、検討がつかなかった。 いきなり誰だと不思議に思いながら、ゆっくりと後ろを振り向くと、同じサークルに入っている月野が立っていた。 この問いかけが月野からだと分かって納得した。 というのも、僕と彼女は「ミステリー同好会」などという、何の活動もせずにただ小説を読んでいるだけのサークルに所属しているため、ミステリーに関しての質問をされても、おかしくはない