ココロに残った本たち〜2024上半期〜
年に2回のこの季節やってまいりました~
半期に一度、読んだ本の中からココロに残った本を5冊チョイスしましょう。
今年は、多読の方針をやや緩め、その代わりに普段読まなさそうな分野に積極的に手を付けた半年。もともとが、ビジネス書に傾倒しがちだったところ、あえての文学、比較言語学、歴史、宇宙論、そして会計学と!その結果、内容が難しくて理解できなかったり、その良さが分からなかったりといった本も少なくなかったかもしれない。
ただ、一定の経験を積めば何物かが現れそうな予感がしているため、引き続き忍耐強く付き合っていこう。
そんな中、選ばれたいちごるを創った本たちはこちら!
(今回からは特に序列はつけません。読んだ順だったり、関連度に応じて記載していきます)
1.読書について(ショウペンハウエル著)
今から約150年前にドイツ人哲学者が書いた読書論。本をきちっと習慣的に読むようになっておよそ3年。うすうす気づいていた自分自身の書籍との接し方(選び方・読み方)に特異な点があること。これらを思い始めたときにたまたまBOOKOFFで見かけたのがこの本。
もはやあるあるとなった、読みたいときに読みたい本が現れるという不思議なご縁。自分の書籍との接し方が割とそのままこの本に書いていた。基本楽しんで本を読んでればいい、というスタンスではあるけれど、150年前の偉人と同じような意見であったとは、自分の取組の方向性に多少の自信が持て
た。
2.思いがけず利他(中島岳志著)
信頼し、尊敬してやまない知人男性から紹介された本。おそらくそうでもなければ手に取らないであろう類の本でもある。
落語の話からスタートする序盤こそ門外漢過ぎて入り込みずらかったが、途中からは、異分野とはいえ本質的なところでつながっている部分が多く見識が深まった思いでいる。
特にこの中で出てくる、ヒンドゥー語から筆者が得たヒントのエピソードと、『学習する組織』で述べられていた「論理の非線形性」、『弓と禅』において述べられてた「経験したものによって、経験されるしかない」神秘主義的な観点、そして自分自身の経験を踏まえて、「言語」についての関心が芽生えるきっかけとなった。(そのせいもあってか、『言語が違えば世界が違って見えるわけ』という本を読んだものの、難しくてまだ手に負えなかった)
3.ランニング革命(ニコラス・ロマノフ著)
1年ぶりに四日市駅伝を走ったこと、その時に観察した一般ランナーとアスリートランナーの走り方の違い、ゴルフで見てきた世界などの点と点がつながり、「走り方の本質とは?」という観点が芽生えた。
そうだ。これもよくあるパターンだ。どこに真実が隠されているのだろう?と、何冊か手に取ったランニングハウツー本。例にももれず1.のショウペンハウエル的嗅覚が、「この本だよー」と教えてくれた。
もしかしたらこの本の中に真実があるのかもしれないと思わせてくれる「断固たる調子、確乎たる態度、それに伴う明晰判明な表現法が特徴(ショウペンハウエルの1.の本の引用)」の本。
いつか本格的に取り組んでみたい。
4.世に棲む日日(司馬遼太郎著)
これも2.と同じ方から勧められて読んだ本。幕末維新に興味があり、どこから入ろうかと思った時の一つの方策、歴史小説。
吉田松陰と高杉晋作という、名前は確かに知っているが…という人物2人を取り上げたこの作品は、思いの外含蓄に富む内容であった。
司馬史観とややもすると批判的に言われることもあるが、事実を知ると言うよりは、歴史(もしくは歴史的なもの)から司馬氏が導き出した教訓には考えさせられるものが多かった。
また、時間をかけて読み返したいし、他の作品も読んでみたいと思う。
5.マネジメント(上)(P.F.ドラッカー著)
最終的には全15巻を読破したいと思っている名著集シリーズ。『マネジメント』というタイトルからは想像もしなかった内容が盛りだくさんで、食わず嫌いしてた感あり。
ドラッカーの考えた、企業の目的と機能、利益の位置付け、人的資本(著作の中では人的資源)、そして社会的責任など。なんだ。やっぱり全ては彼が考えてきたことだったのか!と、本当に恐れ入る内容。
個人的には、企業の2つの機能としての「マーケティング」と「イノベーション」は、すごく腹落ちし、自分の中で漠然と考えてきたことがクリアになった。
まだ中巻、下巻も残っているし、一度読んだだけでは到底消化出来ない代物だが、一生かけて探究したい一冊であった。
(参考1)[2024上半期読書リスト]
24-01.学習する組織_2回目
24-02.禅ゴルフ_2回目
24-03.思いがけず利他
24-04.読書について 他二篇
24-05.ガリヴァー旅行記
24-06.ランニング革命 もっと速く、長く、ずっと怪我なく走るための方法
24-07.若きウェルテルの悩み
24-08.人間の本質
24-09.ジョブ理論(4回目)
24-10.スターバックス成功物語(3回目)
24-11.大尉の娘
24-12.イノベーションと企業家精神-ドラッカー名著集(5)(3回目)
24-13.灯台へ
24-14.攻めのファイナンス スタートアップCFO入門
24-15.世に棲む日日 (一)
24-16.世に棲む日日 (二)
24-17.世に棲む日日 (三)
24-18.世に棲む日日 (四)
24-19.ドイツ参謀本部
24-20.教養としての歴史小説
24-21.青木裕司世界史B講義の実況中継(2)
24-22.青木裕司世界史B講義の実況中継(3)
24-23.青木裕司世界史B講義の実況中継(4)
24-24.ホーキング、宇宙のすべてを語る
24-25.財務3表一体理解法 「管理会計」編
24-26.言語が違えば、世界も違って見えるわけ
24-27.ドラッカー名著集(13)