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【運動療法×機能解剖】体幹安定化運動と股関節機能改善アプローチの治療効果

腰痛の方は非常に多くいらっしゃいますよね。
皆さんはどの様に治療を行っていますか?

一般的に腰痛患者のリハビリテーションでは、体幹の安定性向上が重要視されていると思います。

今回紹介する研究は、股関節の機能改善が腰痛軽減にどのように影響を与えるかという内容です。

今回も非常に学びが多いと思いましたのでこちらにまとめました。

タイトル
“Core Stability and Hip Exercises Improve Physical Function and Activity in Patients with Non-Specific Low Back Pain: A Randomized Controlled Trial”

訳すと
「体幹安定性トレーニングと股関節エクササイズは、非特異的腰痛患者の身体機能と活動性を改善する:ランダム化比較試験」
となります

この研究は、体幹安定性トレーニングと股関節エクササイズを組み合わせることで、非特異的腰痛(NSLBP)の改善にどのような効果があるのかを検討したランダム化比較試験(RCT)です。


1.目的

非特異的腰痛(NSLBP)患者に対し、体幹安定性トレーニングと股関節エクササイズを併用することで、痛みや機能がどのように改善するのかを検証すること。

2.対象者と方法


対象者:NSLBPを有する成人
介入群:体幹安定性トレーニング+股関節エクササイズ
対照群:従来の腰痛エクササイズ
評価指標
痛み(VAS)
障害レベル(Oswestry Disability Index, ODI)
バランス能力
生活の質(SF-36)

3.研究結果

腰痛の軽減

介入群(体幹+股関節エクササイズ)は、対照群と比較して有意に痛みが軽減した。
→ 股関節の安定性向上が、腰部への負担軽減に寄与した可能性がある。

股関節機能の改善

介入群では、股関節の筋力向上と可動域改善がみられた
→ 股関節の制限があると腰椎の代償動作が生じるため、股関節の適切な機能改善が腰部の負担を軽減する。

バランス能力の向上

体幹・股関節の安定性向上により、バランス能力が改善。
→ 腰痛患者では、体幹・股関節の協調的な安定性がバランス機能にも影響を与える可能性がある。

日常生活活動の向上

ODI(障害レベル)とSF-36(生活の質)が改善し、より活動的な生活が可能になった。
→ 腰痛の軽減により、患者のQOL向上にも貢献。

4.臨床的示唆:股関節の評価・介入の重要性

今回の研究から、腰痛患者に対する介入として股関節の安定性や可動性を考慮することが非常に重要であることが示唆されました。

5.臨床でのポイント

腰痛患者の評価時には、股関節の可動域・筋力・安定性も確認する。
股関節の制限がある場合、腰部の代償動作が生じやすいため、股関節の機能改善が重要。
体幹安定性トレーニングに加え、股関節の強化・可動域改善を組み合わせることで、腰痛の軽減が期待できる

6.まとめ

いかがでしたか?
「腰痛=体幹トレーニング」という視点だけでなく、股関節の機能改善を含めたアプローチを取り入れることで、より効果的な治療が可能になる」 という点が、この研究の大きな示唆といえます。

「腰痛治療において股関節の影響を見逃さない」 ことを意識しながら、患者へのアプローチを行うこと。

その根拠を持って日々の治療に携わると治療効果もより良い方向に変わるかもしれません。

参考はこちら
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32669487/

また学びになる研究がありましたら共有したいと思います。

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PT yoshi
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