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転職ずんどこ日記②「家探しに習う職探し法」
社会人5年目のよさくが悩みながら、ずんずんどこどこと転職に向き合う日記。ユラユラと悩む自分自身を受け入れながら、自分軸を探すプロセスをお届け。1年前、転職すべきか悩んでいた自分へのお手紙です。書くにいたった背景はコチラ。
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今日のテーマは「応募する企業を決めるための、興味関心エリアについて」。
「興味関心エリア」というのは、自分が「こんなことに関わる仕事をしてみたい」という転職希望先の射程範囲。今作った。
“エリア”というのがポイント。やりたい仕事というと、「出版社でファッション誌の編集がしたい!」くらいピンポイントにしなきゃと思いがち。
でもそこまで決まってない人は「人の成長に携わる仕事がいいかな〜」とか「何かしら本に関わる業務があればな〜」くらいざっくりでいい気がする。
1年前のよさく、なんとなく興味のあることは自分でわかっていたね。けれどそれがどんな企業に入ればできるのか、わからなかったよね。でもまずはそれでいいよ。そこからちょっとずつ具体的にしていこう。
まず転職をするにあたり、「興味関心エリア」は企業選びの土台となるので、ガッチリと固めなければならない。
業界地図に、自分が入りたい企業群を線で囲っていくイメージ。
「興味関心エリア」がふわふわした状態で転職を始めると、企業選びの判断軸が揺れまくる。なぜかというと、企業選びは複数の基準を同時に比較しないといけない。
企業のネームバリュー・仕事内容・年収・休日・福利厚生・社員の雰囲気・勤務地・残業時間など、一概に比較できない条件を同時に検討しなきゃいけない。情報の渦に巻き込まれ、わけわからん状態になる。
家探しと一緒だ。地域と家賃と間取りとかを同時に検討すると、選択肢を比較しにくい。王道なのは、まず住みたい地域や沿線を特定すること。そこから、家賃や駅チカ、間取りなどの条件を検討していく。
つまり、家探しは「エリア」を先に決めて「物件条件」を後で考えると進みやすい。
転職も似てるかも。まずやりたいことなど「興味関心エリア」をハッキリさせる。その上で、年収や休日といった「就労条件」で絞っていくと進みやすい。
しかし、うっかりリクナビNEXTやdodaといった大手の転職サイトを登録すると、色んな情報が同時に飛び込んでくる。
しかも転職サイトは、年収など「就労条件」が目に入りやすい構造になっている。先にそっちに意識を持ってかれると、自分の「興味関心エリア」が麻痺してしまう。
例えば「別の業界で働きたい!」と転職をスタートしたものの、転職サイトを眺めて「同じ業界の別企業、意外と待遇いいしコッチもありじゃね…!」と軸がマジックのようにすり替わっていることがある。いつのまに!
というわけで、「就労条件」に心を揺さぶられる前に、「興味関心エリア」を先に決めていこう。「どんな家に住みたいか」を考える前に「どんな街に住みたいか」を考えるみたいに。
「興味関心エリア」をガッチリと決められれば、「就労条件」がちょっと悪くても我慢できる。「ワンルームでちょっと狭いけど、吉祥寺に住めるならいっか〜」みたいな感じだね。
じゃあ、転職の射程範囲となる「興味関心エリア」はどう定めていけばいいのか。それはズバリ、Wantedlyに登録すること!
Wantedlyとは、求人情報サイトかつビジネスSNS。職歴や将来やりたいことをプロフィールに書いたり、顔写真を登録したりできる。Facebookの転職版みたいなもん。
企業側も、募集職種といった採用情報はもちろん、企業の価値観や仕事内容などを具体的に掲載している。
Wantedlyの最大の特徴は「年収など就労条件を載せていないこと」。求人サイトなのに。「共感採用」を主軸としていて、企業理念や社会的意義といった価値観のマッチを重視している。
とまあ、「回し者ですか?」といった具合に紹介してしまった。しかし、冷静に年収などが載っていないのはめっちゃ不便。「載せてくれや」と何度も思った。
けれど、自分の価値観フィルターを鍛えるのにはうってつけ。年収や福利厚生といった就労条件がないフラットな情報で、「自分は何に興味があるんだろう」と向き合うことができる。
さらに、プロフィールに「この先やってみたいこと」という欄がある。そこに自分の興味あるキーワードを入れると、企業がスカウトメールを送ってくれる。
ぼくの場合、「教育」「人材育成」「地方創生」などなど。すると、「教育×IT」の企業からスカウトメールが。教科書を電子化して、タブレット教育の推進を行う企業だった。「そんなビジネスあるんだ」と自分の世界が広がっていく。
しかも、スカウトメールも人間味を感じる内容も多かった。dodaとかでもスカウト機能はあるけど、完全にテンプレが送られてくるので、感情が湧きにくい。
けれどWantedlyの場合は、「よさくさんの『人々を前向きにしたい』という価値観が当社にフィットすると思います!」など送ってくれる。(テンプレのときもあるけど)
「ちゃんと読んで、人間が打ち込んでくれている…!」としみじみする。転職を検討するときは「今の仕事向いてないかも…」と自己肯定感の残高が減っていることが多いので、すごい嬉しかった。自己肯定感貯金。
ともかく、プロフィールに書いた情報の色んな角度から企業がアプローチしてくれる。そんな企業の仕事内容や価値観を見続けていると、価値観フィルターが研ぎ澄まされていく。
「やっぱり教育とか人を育てることに興味あるんだな」「地方創生は興味あるけど、仕事としてやることを求めてるのかな…?」などなど。
年収などの条件に振り回されずに、自分の価値観と向き合うことができる。
「やりたいこと」って自分の頭の中で考えがち。それって最初は必要だけど、考え尽くしたら、材料はもう頭の中にない。外にある情報に触れていくことで、定まっていくのだと思う。
というわけで、1年前のよさくよ。君はもう十分考えた。外の世界を知りにいくんだ。自分で探すんじゃなくて、企業が自分を探してくれるシステムを頼ろう。
Wantedly経由で企業に応募することじゃなくて、自分の価値観を「就労条件」抜きで考えていくそのプロセスに、最大の価値があるよ。
【1年前のよさくへのまとめ】
①「就労条件」を考える前に「興味関心エリア」を固めよう
②Wantedlyに登録して、プロフィールにやりたいことのキーワードを書いておこう
③スカウト企業の情報を自分の価値観フィルターに通して、興味関心を育てよう。
家探しと職探しは似ているね。逆にさ、住みたい街の雰囲気とか条件とかを入力するSNSがあったら、おもしろいね。
そんで市町村が「公園とカフェの充実をご希望なら、ウチの街に住みません?」ってスカウトしてくれるの。できないかな〜。