
【短歌】木下龍也さんの「すごい短歌」を読んで
木下龍也さんが群像で連載中の「群像短歌部」第1回〜12回を収録した記事が書籍化されました。
Amazon のアソシエイトとして、よさくは適格販売により収入を得ています。
その月のお題に対して投稿された短歌を木下龍也さんが選んで、評となぜ選ばれたのか、優れた点を丁寧に解説しています。
一部紹介させていただきます。
お題「群れ」
スピッツが歌っていない感情を私が感じるはずがないだろ/山田桃子さん
木下龍也さん評
これまでは私に宿るどの感情もスピッツが歌っている感情だった。予習できているものだった。たから安心できた。けれど、日々押し寄せる感情の群れの中に、スピッツが歌っていない感情を見つけてしまった。これは教科書にないんだが、と私が私へ不服を申し立てているようにも読める。
(一部抜粋)
評はまだ続いているのですが、初心者にもわかりやすいように解説されていてとても読み応えがあります。
そしてそのお題の最後にはご自身の短歌とともに、完成までの過程の説明まで✨なんとも贅沢な仕様です。
はなびらに殺到されてまたひとつ桃色に干上がる水たまり
ほかにもどれも投稿作品が良すぎました。
お題「ゆがむ」
かんたんに殺されそうな体制で歯型のシリコンむぎゅむぎゅと噛む/芍薬さん
iPhoneを風呂に落として小説が二百冊ほど波打った夜/山下ワードレスさん
お題「休む」
音もなく夜更けに居間をのぞいたが薔薇はその美を休まずにいた/山下ワードレスさん
ひらがなの〈ん〉になるように抱えてた膝をシーツの海で解いた/常田瑛子さん
お題「車窓」
車窓から世界を見るとき車窓から見られる私はちょっとモナリザ/遠藤ミサキさん
常設展「車窓」において作品はまばたきのたび入れ替えられる/田中颯人さん
田中颯人さんの常設展「車窓」という発想がびっくりしました。乗客が美術館のお客さんとして窓を観ている、窓の向こうが額縁に入れられた作品という発想。常に人の乗り降り、駅と駅の間のお店やマンション、すべてアートと思えば毎日楽しく通勤できるかもしれません。
木下龍也さんの作品から
乗客が礼を言うまでてのひらのバスを覗いているウルトラマン
老犬がドアにもたれてねむるから父は今夜も長風呂となる
すごい
木下龍也さんも採用された方も、どの作品もすごいとしか出てこない。
こういう短歌が作れたら嬉しいですよね☺️
…と書いている今日は今月のお題締め切り日。
まだまだ群像短歌部の連載は続いています。
もうそろそろ次の発売日、毎月読むのが楽しみです😊
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ではまた