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国税の納付方法:キャッシュレス納付の概要と注意点

国税の納付方法には、税務署や金融機関の窓口での現金納付に加え、オフィスなどから手軽に利用できるキャッシュレス納付があります。キャッシュレス納付は利便性が年々向上しており、以下の方法があります。


1. 振替納税

振替納税は、納税者の預貯金口座から国税庁が指定した振替日に自動引き落としされる方法です。以下が特徴です:

  • 対象税目:個人事業者の所得税と消費税

  • 手続き:所轄税務署長または希望する金融機関に「口座振替依頼書」を書面またはe-Taxで提出します。一度手続きすれば、税務署を変更しない限り次回以降も自動で振替納税が行われます。


2. ダイレクト納付

ダイレクト納付は、金融機関の口座から即時または指定日に引き落とされる方法で、全税目に対応しています。以下が特徴です:

  • 手続き:「ダイレクト納付利用届出書」を書面またはe-Taxで所轄税務署に提出することで利用可能です。


3. 振替納税とダイレクト納付の注意点

どちらの方法も、口座の残高不足で引き落としができない場合、延滞税が発生しますが、以下の点に注意が必要です:

  • 振替納税:残高不足の通知は納税者や税理士には届きません。そのため、通帳や口座残高を確認する必要があります。

  • ダイレクト納付:e-Tax上で引き落とし失敗の通知が即座に届くため、確認しやすい仕組みになっています。


4. 自動ダイレクト納付(新機能)

令和5年4月から、ダイレクト納付に新機能「自動ダイレクト」が加わりました。この機能では、e-Taxで申告データを送信する際にチェックを入れるだけで、納付手続きが同時に完了します。

ただし、法定納期限当日に利用する場合、以下の納税額の上限が設けられています:

  • 令和6年4月1日から2年間:1,000万円以下

  • 令和8年4月1日から2年間:3,000万円以下

  • 令和10年4月1日以降:1億円以下


キャッシュレス納付は利便性が高い一方、口座残高の確認や新機能の制限を理解することが重要です。適切に利用して延滞税を回避しましょう。