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深まる秋にアリ・スミスの秋を読了出来て歓喜に満ち溢れている。このままの流れでいくと『冬/アリ・スミス』は間違いなく購入するだろう。



今日の夕方の読書時間で読了した。アリ・スミスの『秋』


読み始めた時は、アリ・スミスの独特の文体と物語の構成が最初は慣れなくて、読み切れるかな~と自信が無くなってしまったが、頑張って読み進めていくうちに逆にハマってしまっている自分がいて、四部作なので全部読みたい!揃えたい!となっている。


EU離脱の国民投票の結果に衝撃を受けたアリ・スミスがそのままの勢いで書き上げた作品で、その「憤りの無さ」「やるせなさ」が作品の至る所に感じられる作品。


そして見所でもある主人公のダニエルとエリザベスが会話する場面は、読み返すと、私まで一息着きたくなるような、ほっとしたら気持ちにさせてくれる、落ち着きを取り戻せる、そんな会話が散りばめられています。


エリザベスのちょっと一癖ある性格や(序盤の郵便局員とのやり取りで彼女の少し我が強くて物怖じしない性格が分かる場面。このやり取りが3回に渡って書かれているんだけど、私はその場面が好きで、かなりマニアックだと自分でも思うんだけど...あえてエリザベスの性格が分かるように序盤にインパクトのあるこのシーンを書いた作者の意図が見えるな~とか1人で勝手に解釈して妄想してる)や、
ダニエルとエリザベスの散歩の場面での会話遊び『お茶の子=バガテル』のやり取り(※お茶の子=バガテルは【なんてことない】という意味だが、作中ではエリザベスとのやり取りで、相手が作った1文に次の人がさらに1文を付け加える、それを交互に行い物語を作っていく遊び=バガテルということになっている)、など、気になる場面や面白いやり取りが所々にあって、それを探しながら読むのが私は楽しかった。







――「何を読んでいるのかな?」――
あなたはいつもそう訊ねた。

 




そんな友達が私にもいたらいいな、と思った。
ダニエルとエリザベスのような。






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