【散文詩】 美しいを信じてる
月に近づきすぎた少女は、今日も太陽に憧れている。いいかげん夜空を眺めるのにも飽きてきたし、別の場所を目指して歩きたかった。星は東に流れるばかりで、東から昇る太陽に混ざりあっていた。いくつになっても未来が見えないことに不安はないし、後悔もひとつもない。
いつか太陽に届きますようにと、少女は太陽が昇る時間に合わせて手紙を書いているけれど、余白がない。余白がないせいで、言葉が入りきらない。手元にあるのはまとまらない手紙ばかりで、伝えたいことはいつしかなくなった。
流れ星の成れの果て