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#短編小説
Escape from luv
からだが重力に逆らえず、沼地を歩くように足取りが重たい。やっと便器に腰をおろした彩伽は、先程まで自身の肌に張り付いていた布をみて絶望した。処女雪のようにまっさらな敷きものに、鮮血が3滴ほど滲んでいた。鉛のような腕を持ち上げて、大きめのものを手に取った。それを下着に敷いている間も、彩伽の身体は病原菌に滅亡させられるような心地だった。やっとの思いで布団のなかへ潜り、脇に挟んだものを確認すると103.
もっとみるからだが重力に逆らえず、沼地を歩くように足取りが重たい。やっと便器に腰をおろした彩伽は、先程まで自身の肌に張り付いていた布をみて絶望した。処女雪のようにまっさらな敷きものに、鮮血が3滴ほど滲んでいた。鉛のような腕を持ち上げて、大きめのものを手に取った。それを下着に敷いている間も、彩伽の身体は病原菌に滅亡させられるような心地だった。やっとの思いで布団のなかへ潜り、脇に挟んだものを確認すると103.
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