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労務Q&A:フレックスタイム制の従業員に、朝礼への出席を強制できる?
おはようございます。中小企業診断士、社会保険労務士の萬屋です。
経営者や人事労務担当者が知っておきたいケースについてQ&A形式で纏めます。
Question:フレックスでも朝礼に出席させられる?
朝礼はフレックスタイム制度導入前から行っており、重要事項の周知の場なので、フレックスタイム制の従業員であっても全員朝会に出させようと思う。問題ない?
Answer:原則論的には難しい
フレックスタイム制度の趣旨からすると、原則的には難しいです。
フレックスタイム制は、従業員に始業・終業時刻の決定を委ねる制度です。朝礼がコアタイム(必ず勤務しなければならない時間帯)外で行われる場合、従業員にその時間帯の勤務を強制することは、フレックスタイム制の趣旨に反します。
例外:条件を満たせば可能
以下の場合は参加を強制できる可能性があります。
就業規則に明記されている場合:
就業規則にフレックスタイム制の適用を受ける従業員も朝礼への参加を義務付ける旨が明記されている場合は、強制できる可能性があります。ただし、その就業規則が合理的な内容であることが前提となります。
朝礼が業務上必要な場合:
朝礼で重要な業務連絡や指示などが行われる場合、業務遂行のために参加が必要不可欠と判断されれば、強制できる可能性があります。
労使協定で定められている場合:
労使協定において、フレックスタイム制の従業員も朝礼に参加しなければならない旨が定められている場合は、強制できる可能性があります。
但し、参加を強制する場合、以下の点にご注意ください。
業務命令としての要件を満たす必要がある:
朝礼への参加を強制する場合、業務命令として、その必要性、内容、時間などを明確に示す必要があります。
フレックスタイム制の趣旨を損なわない範囲で行う必要がある:
朝礼への参加を強制することが、フレックスタイム制の趣旨を損なうようなことがあってはいけません。
不利益な取り扱いをしない:
朝礼に参加しなかった従業員に対して、不利益な取り扱いをしてはいけません。
まとめ・より良い方法
朝礼(コアタイム外)への参加を強制するのは諸々の条件を満たす必要があり、また制度の趣旨に反しますので、運用対処を検討しましょう。例えば以下のような方法が考えられるでしょう。
朝礼の時間を変更し、コアタイム時間内で行う。
朝礼の議事メモを作成し、メールやTeams等で共有する。
朝礼に参加するメリットを訴求する(≒従業員自らが朝礼に参加できるような勤務時間を指定する)
参考になりましたでしょうか。
それではまた!