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はじめて短歌を詠んだ日
朝ドラ『舞いあがれ!』に登場する古書店の店主・八木さんが言った言葉が忘れられない。
"五・七・五・七・七 のリズムに乗せたら、詰まってた言葉も流れだす"
字数やリズムといったきまりの中で生みだされる「短歌」。
なにごとも「制約」があるほど、生みだされるまでに繰り返される「試行錯誤」の量が違うとわたしは思う。
似たところでいうと、Twitterもそうだろうか。
決められた「140字」という字数にいかにして伝えたいことや感動を詰め込むか。
そうやって発信された内容は、よく考えられて紡がれているし、Simple is the bestのなかにも豊かな世界が広がっていたりもする。
国語に苦手意識をもっているわたしは、「短歌」についてまったくの無知である。
しかしこの秋に、「はじめて」短歌を詠む機会にめぐりあった。
それは奈良国立博物館で開催された『第74回正倉院展』へ行ったときのことだった。
正倉院展へ行くのははじめての経験。
1300年前の宝物たちと、時をこえて出会うそのすごさに、感動しっぱなしだった。
単眼鏡を持参する強者たちのなかにポツンと紛れ込んでいたわけだが、無知な素人にとっても、当時の技術の素晴らしさや、それが現存することの知恵の集結に驚きの連続だった。
「次行くときは、双眼鏡くらいはもっていきたい」と思ったほどに、どの宝物もとても素晴らしかった。
その正倉院展で見かけた、ある一枚のチラシがある。
『正倉院展短歌・俳句コンクール』だ。
■募集内容
正倉院宝物や正倉院展をめぐる短歌と俳句。
天平文化へ思いをはせて詠んでもよい。
正倉院展へ行った記念に、一首詠んでみうと思いたった。
しかし、これがとても難しい。
やはり字数やリズムにのせて言葉を生みだすというのは至難の技だ。
そんな「どうしようか……」と迷走しているときに一押ししてくれたのが、朝ドラ・八木さんの言葉だった。
たくさんの宝物を前にして、わたしはあまりにも大きな何かを感じていた。
しかしそれが一体どんな言葉で表せるのか、分からないでいたのだ。
そんな時に八木さんの "五・七・五・七・七 のリズムに乗せたら、詰まってた言葉も流れだす" という一言で、胸につっかえていたものがホロリととれたような気がする。
「難しく考えなくてもいいじゃないか。ただただリズムにのせることだけを考えよう。」
そう思って、期日ギリギリにわたしははじめて短歌を一首詠んでみた。
提出してから過去の受賞作を読んでみたら、それはもうとても素晴らしい。
あんな短歌を提出してしまったなんて……
けれど、わたしにとっては「はじめの一歩」なのである。素人すぎる歌でも仕方がない。
何よりこの一首をきっかけに、わたしはもっと短歌を詠んでみたくなった。
日々出会う小さな幸せから大きな感動まで。
それらを五・七・五・七・七のリズムにのせてみたい。
noteはね
気の向くままに
綴るんだ
じぶんの胸に
耳かたむけて
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