シャイなコピーライターを変えたのは、お茶だった
こんにちは、シノです。昨年コピーライターとして初めて賞をいただきました。仕事ではなく、プライベートで。
キャッチコピーを書き、ことばと真剣に向き合う経験の中で成長させてもらえました。そのきっかけをくれたのが、Haruna(ハルナ)さんの「ママキティー」です。
ママキティーと、出会った〜
みなさんは、ママキティーを知っていますか? 2020年の5月に発売になったハワイ生まれのノンカフェインティーで、ナチュラルローソンやカルディ、WEBサイトなどで買うことができます。
ママキティーはルイボスティーよりやわらかな風味で、とってもやさしい味です。小さめのカバンにも入る350mlペットなのも嬉しいポイント。
2020年10月、Twitterで、Harunaさんが主催する公募コンテスト「#ママキティーのキャッチコピー大募集」があると知りました。
とくに目をひいたのは、企画の内容です。
キャッチコピーでハワイを応援できる!
コピー1作品につき、5円をハワイのボランティア団体「Chef Hui」にハルナより寄付する、というチャリティーイベントでもあります!
キャッチコピーを書けば書くほど寄付額が大きくなり、結果的にハワイを支援できる仕組みになっていたのです。
こ、これは素敵すぎる…!
わたしは引っ込み思案な性格もあって公募コンテストになかなか挑戦できずにいたのですが、こんなサステナブルでみんなを幸せにする公募コンテストならぜひやってみたい!と応募を決めました。Harunaさんの想いに背中を押してもらえたのです。
そして…
なんと特別賞をいただくことができました。さらに賞品の豪華詰め合わせまで!
テンションがあがって廊下で撮ってしまいました。初受賞に沸くわが家の臨場感が伝わりますでしょうか(笑)
そこで今回は、公募コンテストに参加してみたい人、キャッチコピーやことばをつくることに興味がある人に向けて、わたしが実際にやった方法を紹介したいと思います。
自分がそうだったのですが、ささいなことでも理由があると公募コンテストは参加しやすくなる気がします。この記事を読んでくれた人にとって、そんなきっかけになったら嬉しいです。
コピーライターがやっている、6つのこと
1. いきなりキャッチコピーを書かない
コピーライティング界隈ではよく言われることなのですが、いきなりキャッチコピーを書いちゃだめです。素手でシン・ゴジラに立ち向かうくらい無謀です。正直に告白しますと、わたしはコピーライターになって数年間はこれやっちゃってました。でも今は絶対やらないぞと決めています。
2.リサーチする
キャッチコピーを書く前に、リサーチしましょう。これを強い気持ちでやる。リサーチってやる前はとんでもなく面倒だし、やり始めたらすぐやめたくなります。だから、差がつくのはここです。能力やセンスなんか関係ないです。リサーチをしっかりやる人だけが、いいキャッチコピーを書くことができます。
3.シャーロック・ホームズになる
探偵になりきりましょう。リサーチもちょっと楽しくなります。クライアント(=Harunaさん)や商品(=ママキティー)やターゲット(=飲む人)、そして今の社会や世界のことまで、関係あることを調べましょう。
わたしはHarunaさんのTwitterやInstagram、noteはもちろん、ママキティー発売時にさまざまなメディアで取り上げられた際の記事、美容系ライターさんやハワイが好きな人、身体にいいものが好きな人のブログ、SNS上の検索など…思いつくかぎりの情報にあたりました。
4.情報を書き出す
ママキティーについて自分が「知らなかった」「そうなんだ」と思うことはなんでも書き出していきます。これ、当時のノートの一部です(注意:字がきたない)。
締切の前日くらいまで、自分がこれくらいでいいかな?と思った時点からもう少しふんばってリサーチを続けてみましょう。すべてキャッチコピーのネタになる可能性があるので、がんばりどころです。
5.ネタからキャッチコピーへ
たとえば、Twitterでママキティーを検索していたら「キティちゃんがつくったお茶かと思ったw」というようなツイートを偶然見かけました。気になる視点だったのでメモしておき、なんとかキャッチコピーにしてみたのがこちら。
“作ったのはキティちゃんのお母さん、ではありません。”
…個人的には好きなのですが、かすりもしなかったです(笑)
6. ”強いファクトはそれだけでキャッチコピー”
これは、宣伝会議のWebコピー講座で橋口さんという電通のコピーライターの方が言っていたことです。キャッチコピーをつくる過程で、わたしはずっとこの言葉を頭の隅においていました。
さきほどのノート、赤枠で囲った部分にご注目。ここがファクト(事実)です。
驚きでした。
しかもこれは2019年のデータ。ということは、2020年もコロナの影響でハワイに行けなかった人が150万人以上いると推理できるね、ワトソン君? 日本人が世界でいちばんハワイへ旅行し、リピート率も60%以上でハワイへの愛が強い。それだけ魅力的な場所なんですよね。
わたしも海外旅行が好きなので、楽しみに計画していたハワイ旅がだめになってしまったら…と想像してつらい気持ちになりました。そんな気持ちを抱える人たちが150万人もいるのです。
元気だして!明るくいこう!とは書けないな…と思いました。自分の力ではどうしようもないことに見舞われた時、能天気に元気だしなよ〜って言われたらちょっとムッとしてしまう気がして。そんなことわかってるよ、と。
だから、このファクトだけをキャッチコピーにしました。
キャッチコピーも、ことばです
特別賞ももちろんすごく嬉しかったのですが、なによりHarunaさんからいただいた「心に響く素敵なコピー」というコメントに、応募してよかったな…と胸が熱くなりました。
キャッチコピーって、大きなことを宣言したり、うまいことを言ったりする、特別なものだと思うかもしれません。でも、キャッチコピーもことばです。わたしたちが普段、家族や友だちと話すことばと同じものなんです。
ことばの先に、誰がいるのか。どんな気持ちでいるのか。それを想像することが大切なんだと思います。ハワイの心地よい風に吹かれて、すこし立ち止まってみるように。
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