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アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲医師の絵本
カカ•ムラド ナカムラのおじさん
原作 ガフワラ
訳・文 さだまさし 他
2020年12月6日 第1刷発行
2021年3月26日 第11刷発行
双葉社
この本は、中村さんについて書かれたアフガニスタンで出版された2冊の絵本「カカ・ムラド〜ナカムラのおじさん」と、「カカ・ムラドと魔法の小箱」に、解説を加えてまとめたもの。
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「カカ・ムラド〜ナカムラのおじさん」は、事実をもとに書かれた創作。
中村先生が、いくら診療しても患者が増え続けるので、病気の原因を探したら水が原因だと分かり、用水路を引いた話。もちろん簡単ではなく、村人たちを説得し自らも勉強して、村人たちと共に慣れないツルハシやシャベルで掘り、努力や工夫をして用水路を完成させる物語。
「カカ・ムラドと魔法の小箱」は中村さんが登場するファンタジーになっている。
主人公のソラブは4人兄弟の末っ子。ソラブが大好きなお父さんとお母さんに贈り物をしたいと思い、夜空に大きな星を、森には大きな樹を、川にはきれいで大きな貝殻をお願いしたが、『笑顔』『ハグ』『おだやかなねむり』をかわりに持ってくるように言われる。帰り道でカカ・ムラドに会い、それらを入れる魔法の箱をくれる。でも『笑顔』『ハグ』『おだやかなねむり』は簡単には見つからない。
こちらはさだまさしが翻訳している。『ハグ』 と訳したのが、さだまさしっぽい?魔法の箱は葛飾北斎の絵だ!
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泣ける話だった。カカ・ムラドのアドバイス「できないと最初からあきらめない、一人きりでがんばるだけではなく大切な誰かに相談すること」
絵本と絵本の間に解説があるが、やさしい言葉で書いてあって分かりやすい。
字は細かいが、漢字に全部ふりがなが振ってあって、子供でも読めるようになっている。
「ガフワラ」とは「ゆりかご」を意味していて、2016年に日本に留学していたマハディさんによって作られた。アフガニスタンの各言語で絵本を作ったり、海外の絵本を翻訳している。
用水路を作る資金は、福岡市にある非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の会員の寄付で賄い、現地では中村さんがつくった「PMS](ピース・ジャパン・メディカル・サービス)というグループのアフガニスタン人が共に働いてきた。
中村さんが亡くなった今もペシャワール会とPMSは二人三脚で仕事を続けているそうだ。
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